国際ロマンス詐欺被害の相談先の1つとして、警察が挙げられます。
困った時の強い味方として存在している警察ですが、近年横行している国際ロマンス詐欺にはどのように対処してくれるのでしょうか?
今回は、詐欺被害に遭ったら警察に相談しても良いのか?
はたまた、警察に相談するメリットやデメリットについても紹介していきます。
- 詐欺被害に遭った人
- 相談する先がわからない人
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警察に詐欺被害を相談したい時の番号は「#9110」

全国に共通している警察への相談窓口として、「#9110」が存在しています。
電話番号 | #9110 |
受付時間 | 平日/午前8:30~午後5:15 |
通話料 | 利用者負担 |
営業時間に関しては各都道府県の警察本部で異なり、対応も専門の相談員が対応してくれる場合もあります。
平日以外の対応は、24時間体制の県部を除いては音声案内での対応となります。
お近くの警察署に出向いて相談するのも良いですが、専用ダイヤルが存在しているのでぜひ活用してみてください。
全国どこからでも繋がるようになっていますが、ダイヤル回線や一部のIP電話からの利用はできませんので注意してください。
「110」は緊急度が高い場合に利用しよう
今すぐにでも対応して欲しいという方は、「110」に連絡しましょう。
警察への電話番号といえば「110」ですが、「#9110」とはどのような違いがあるのでしょうか。
「110」に連絡をする場合は、具体的にはすぐに警察が駆けつけて欲しい場合です。
緊急性の高い事件や事故などが起こった際に、通報という形で利用します。
単に相談に乗ってほしいなどの場合は、「110」ではなく「#9110」を利用することをおすすめします。
警察に被害相談をしたらどうなる?取れる選択肢について

実際に警察に相談した場合、どのような対策が取れるのか。
相談内容次第ではありますが、警察では以下2つに分けて対応してくれる場合があります。
- 被害届を出して捜査を検討してもらう
- 告訴状を出して犯人の捜査をしてもらう
それぞれチェックしていきましょう。
被害届を出して捜査を検討してもらう
被害者側として、警察に何かしらの対応をしてもらいたいという場合は被害届を提出することをおすすめします。
被害届は、警察にどんな被害があったのかを申告するための書類で法的な効果があります。
犯罪捜査規範61条に則り、被害届が出された場合はいかなる理由があっても受理しなければなりません。
しかし、被害届が提出されたからといって、捜査が必ずしも行われるとは限りません。
被害内容によっては捜査が行われることもありますが、あくまでも捜査のきっかけというだけであって刑事事件として立件してもらえないことの方が多いです。
告訴状を出して犯人の捜査をしてもらう
刑事告訴を考えている方は、告訴状を出して犯人の捜査をしてもらうのもおすすめです。
告訴とは、犯罪の事実を申告して犯人への処罰を求める意思表示のことです。
ただし被害届を提出するのと同じで、必ずしも告訴ができるとは限りません。
基本的には書面上で行うものの、告訴状を検察官または巡査部長以上の階級を持った警察官(司法警察員)に受理してもらう必要があります。
警察に告訴状を提出しただけでは、受理される確率は低いといえます。
明らかな傷害事件などと分かれば受理される確率も高くなりますが、国際ロマンスなどの詐欺では証拠不十分などの理由で受理されないことの方が多いのです。
もちろん確かな証拠さえあれば犯人の捜査をしてもらえることもあるので、刑事告訴を考えている方は検討してみるのも良いでしょう。
警察に詐欺被害を相談するメリットは?

ここでは、警察に詐欺被害を相談するメリットについて紹介していきます。
警察に詐欺被害を相談する主なメリットは、以下の通り。
- 被害が複数出ている場合捜査してくれる可能性がある
- 示談交渉がうまく進む可能性が高まる
- 被害届を出した記録を残しておくことができる
それぞれチェックしていきましょう。
被害が複数出ている場合捜査してくれる可能性がある
似たような詐欺被害の報告が複数出ていれば、捜査してくれる可能性が高まります。
件数が少なければ緊急性がない上に証拠不十分と判断されて、なかなか被害届や告訴状を受理してくれないことがほとんどです。
自分以外の人から被害報告が上がっているかは分かりませんが、警察はこれ以上の被害拡大を阻止する必要があるので捜査に踏み切ってくれることもあるのです。
示談交渉がうまく進む可能性が高まる
返金をする代わりに、告訴状などを取り下げるとして示談交渉がうまく進む可能性が高まります。
被害届または告訴状が提出された場合、詐欺師側からしてみればどうにかして取り下げて欲しいと考えるもの。
なぜなら詐欺師側に有罪判決が下れば、懲役10年以下の刑罰がありうるからです。
詐欺師側もそれは分かっているので、返金対応をすることも少なくありません。
被害届を出した記録を残しておくことができる
詐欺の相談件数が多いのは弁護士ですが、弁護士に相談すると費用が発生してしまうため予算的に依頼ができない方もいます。
その場合は、とりあえず被害届だけでも提出しておきましょう。
被害届を出したという記録が残るので、実際に警察が捜査するかどうかは別として検討してみるのもおすすめです。
警察に詐欺被害を相談するデメリットは?

ここでは、警察に詐欺被害を相談するデメリットについて紹介していきます。
警察に詐欺被害を相談する主なデメリットは、以下の通り。
- 民事事件である場合動いてくれないことが多い
- 犯人の身元がわからないと対応してくれないかも
- 被害の程度によっては被害届を受理してくれないこともある
- 証拠がないと捜査を開始できないパターンが多い
それぞれチェックしていきましょう。
民事事件である場合動いてくれないことが多い
国際ロマンス詐欺は民事事件と判断され、「民事不介入」が働いて警察が対応してくれないことも多いです。
警察に相談しに行って被害届は受理されたものの、対応してくれるかどうかは分かりません。
詐欺師に支払ってしまったお金の返金対応も難しいので、必ず対応してもらいたいという場合は最初から弁護士に相談した方が解決までスムーズです。
犯人の身元がわからないと対応してくれないかも
犯人の身元や十分な証拠がそろっていないと、対応してくれない場合もあります。
殺人事件など緊急性が高い事件に関してはすぐに動いてくれますが、基本的には身元の特定をした上で告訴が必要になります。
被害の程度によっては被害届を受理してくれないこともある
被害の程度によっては、被害届が提出されたからといって必ずしも受理されるとは限りません。
基本的には犯罪捜査規範61条に則り、被害届が出された場合はいかなる理由であっても受理しなければなりません。
しかし、警察では何かしらの理由を付けて被害届を受理してくれないこともあります。
そのような場合は、数回に分けて被害届を提出すると受理してくれる可能性が高くなるでしょう。
証拠がないと捜査を開始できないパターンが多い
警察は基本的に、被害届と十分な証拠がそろっていない限り捜査は開始されません。
警察側が事件性があると判断した場合のみ、捜査が開始されます。
証拠が不十分な段階で、とにかく捜査をして犯人逮捕まで踏み切ってほしいということはできないので十分に注意してください。
警察以外で詐欺被害の相談ができる場所について

国際ロマンス詐欺の相談先は、警察以外にもいくつか存在しています。
ここでは、以下の相談を紹介していきます。
- 消費者センター|アドバイスを受けたい人向け
- 探偵・便利屋|詐欺師を特定したい人向け
- 弁護士|被害回復に向けて効果的に動きたい人向け
それぞれチェックしていきましょう。
消費者センター|アドバイスを受けたい人向け
国際ロマンス詐欺被害に遭われた方で、何かしらのアドバイスや弁護士を紹介して欲しいという方は消費者センター(国民生活センター)に相談するのもおすすめです。
消費者センターに相談する方は多く、詳しく被害内容を説明できればアドバイスや何かしらの対処をしてくれます。
ただし事前に相談内容をまとめておく必要があるので、より適切なアドバイスが欲しい方は検討してみてください。
探偵・便利屋|詐欺師を特定したい人向け
詐欺師を一刻も早く特定したいという方は、探偵や便利屋を活用するのもおすすめです。
ただし探偵や便利屋が国際ロマンス詐欺関連でできることには限界があります。
- 相談に乗る
- 解決までの方向性を探る
- 情報収集
中にはさまざまな書類の作成を代行してくれるところもありますが、ごく一部です。
弁護士のように裁判の代理人になったり返金対応をするなどは難しいため、探偵や便利屋への依頼は詐欺師の特定を急ぎたいという方におすすめです。
弁護士|被害回復に向けて効果的に動きたい人向け
被害回復に向けて効果的に動きたいという方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
国際ロマンス詐欺は近年流行している詐欺の一種なので、国際ロマンス詐欺を専門分野として取り扱っている弁護士が多くなってきました。
必ずしも相談したことで被害金が取り戻せたり犯人の逮捕まで踏み切れる保証はありませんが、警察や消費者センターより調査に踏み切ってくれる可能性が高いです。
国際詐欺系はかなり複雑な問題でもあるので、海外の法律関連は警察よりも詳しいといえます。
専門家というだけで相談もしやすい上に、話だけなら無料で聞いてくれるところが多いです。
詐欺被害に遭わないために自分でできること

最後に、詐欺被害に遭わないために自分でできることを紹介していきます。
- ネットやアプリ等で知り合った相手を簡単に信用しない
- お金が必要になる出来事には慎重になる
- 怪しいと思った時点で信頼できる人に相談する
- クーリングオフ制度があることを知っておく
それぞれチェックしていきましょう。
ネットやアプリ等で知り合った相手を簡単に信用しない
実際に顔を合わせるまでは、簡単に相手を信用しないことがとても大切です。
国際ロマンス詐欺は、多くの場合マッチングアプリなどのネットを通じて相手と知り合うことがほとんどです。
特に知り合ってから早い段階で、LINEなどで直接連絡を取ろうとしてくる相手は要注意です。
個人情報を相手に教えて、恋人関係に持ち込んで金銭を要求するのが国際ロマンス詐欺の典型的な特徴です。
お金が必要になる出来事には慎重になる
基本的にどんなに仲良くなった相手でも、お金が絡む状況に陥った場合は用心してください。
お金の貸し借りはトラブルになりやすい傾向にあり、実際に国際ロマンス詐欺では少額から始まり気が付いたら数百万~数千万円も相手に支払っていたというケースがほとんどです。
近い将来相手と結婚する流れになっていても、慎重な判断が求められます。
怪しいと思った時点で信頼できる人に相談する
お金などの話で少しでも相手に不信感を抱いた時点で、警察や弁護士、さらには家族や友人など信頼できる人に相談することを強くおすすめします。
第三者からの意見を聞くことで、違った観点から物事を把握できます。
特に弁護士に相談すれば、専門的な目線で物事を考えてくれるので非常におすすめです。
クーリングオフ制度があることを知っておく
国際ロマンス詐欺の手口の中に、マルチ商法などで金銭を騙し取ることがあります。
ですがこういった複雑かつ高いリスクが伴う取引で契約したものに関しては、クーリングオフ制度が適用されます。
一定期間内であれば、無条件で一方的に契約を解除することができるので覚えておいて損はありません。
まとめ:詐欺の相談は警察よりも弁護士にするほうがおすすめ

詐欺被害に遭ったら警察に相談しても良いのか?
はたまた、警察に相談するメリットやデメリットについても紹介してきました。
本記事では警察への相談の仕方を中心に紹介してきましたが、国際ロマンス詐欺は複雑な事案でもあるので警察よりも弁護士に相談するのが一番です。
国際ロマンス詐欺は、年々被害が拡大している詐欺の一種です。
出会いを求める方を中心に被害が拡大しているので、万が一被害に遭われた方は気付いた時点で信用できる相手に相談することをおすすめします。
