国際ロマンス詐欺で、新しいストーリーが最近流行しています。
例えば、以前の国際ロマンス詐欺では、「シリアで平和維持活動に従事している米軍兵士からの連絡」というものが典型的なものでした。
しかしこちらは「古いもの」と言わざるを得ません。まだまだ存在するものの、主流ではなくなってきています。
そこで今回は国際ロマンス詐欺関連の新たなストーリーをいくつかご紹介していきます。
実際に被害事例のあるストーリーばかりをご紹介しますので、今回の事例にマッチしていないかどうかまずは確認してみましょう。
- マッチングアプリで知り合った外国人にお金を騙し取られた
- SNSで知り合った仮想通貨投資を勧められている
- 弁護士に相談したいが選び方がわからない
- 国際ロマンス詐欺について詳しく知りたい
お涙頂戴はウケない?国際ロマンス詐欺の新たなストーリー5選
最近はお涙頂戴ものよりも、以下のような詐欺のストーリーが主流となりつつあります。
ここでは2022年最新版の国際ロマンス詐欺関連の新たなストーリーをご紹介していきます。
ストーリー①:アメリカ人男性からビジネスの資金提供をうけるはずが…逆に振り込ませて逃げた事例
最近増えてきている事例としてアメリカ人男性からビジネスの資金提供を受けるはずが、逆に相手にお金を振り込んでしまい相手が逃げてしまったという事例があります。
- A子 47歳 独身で自営業をしている。年収はそこそこあるが、人生に寂しさを感じている
- アメリカ人男性M 35歳で若手のエリート。株投資で儲けている
- 1700万 2年
- マッチングアプリで知り合う
- 自営業の拡大を考えていたA子にMが資金提供を提案
- 最初は提供を受けるつもりではなかったが、彼の言葉に負けて受けることに
- しかし、資金提供のためには関税がかかると言われる
- その関税を支払い、お金を待つも時間がかかると言われその言葉を信じる
- 2年間次々に関税を求められるも、その資金は一向にこない
- 資金について尋ねると「パンデミックの影響で時間がかかる」といわれる
- しびれを切らしたA子が問い詰めると音信不通に
このような事例が多いため、くれぐれもご注意ください。

ストーリー②:中国人女性から「簡単にできる投資がある」と言われるも出金ができず、そのまま縁を切られた事例
こちらも非常に多い事例となっています。中国人女性を名乗る人物から投資を持ちかけられ、そのまま縁を切られるパターンです。
2020年頃から増加しているスキームとなっています。
- B太 37歳 サラリーマン。有名大学を出ているのに、年収が上がらないことや結婚できない自分に嫌気が差している
- 中国人女性S 25歳 上流階級の娘で、投資だけで生計を立てている
- 500万 4年間
- 婚活アプリで知り合う
- 働いているときの悩みをB太が言うと、Sに「あなたの能力なら絶対に成功する投資がある」と言われる
- 最初は疑っていたが、投資の内容はシンプルでわかりやすかった
- こんなので儲けられるなら、とSを信用していたB太は投資をスタート
- Sから日頃来る報告は右肩上がりで、このままならセレブになれるのではと思う
- しかし、そのお金を出金しようとするとSに「このお金は結婚資金にするために貯金しよう」と提案される
- まんまと信じていたが、投資に使うお金で生活が苦しくなっていた
- Sに黙って出金しようとすると、業者からできないと言われる
- Sにそのことを尋ねると音信不通に
ストーリー③:「パンデミックが終わったら会おう」そう言っていたのに…自称アメリカ人軍医に結婚資金を詐取された事例
アメリカ人の軍医を名乗る典型的なオールドファッションの国際ロマンス詐欺ではあるものの、新しくパンデミックの要素を取り入れたものが出てきています。
- C美 55歳 5年前に離婚 子供は自立していて、今まで専業主婦であったが、浪費癖があるためパートを始めた うまくいってない
- アメリカ人男性F 27歳で軍医をしている。年上好き
- 750万 1年間
- SNSで知り合う
- アメリカ人軍医の彼と知り合い、毎日の愛情表現にときめく
- パンデミックの影響で会うことができないが、今すぐ君に会いたいと言われ、C美はすっかり惚れる
- 結婚資金を貯金したいと言われ、言われるがままFにお金を入金
- しかしC美は収入があまりなかったため、貯金や生活費を切り崩していた
- その話をすると「僕と一緒に住んだら豪華な生活をさせられるから、少しだけ我慢してくれ」と言われる
- プレゼントを贈りたいとFに言われるも、荷物の税金を軍では払えないと言われ、かなりの額を支払った
- その後も荷物は来なかったが、パンデミックの影響だと言われる
- それを信じて消費者金融からお金を借りて、入金し続けた
- ある日お金を借りる限度額になってしまい、Fにお金を送れないと伝えるとそのまま音信不通に
この事例では消費者金融からの借金という要素も絡むことから、ご本人の任意整理や債務整理といった部分でも弁護士の介入が必要となりました。
ストーリー④:家族から反対されるからお金が出せない!ロミジュリ効果で韓国人男性に貢ぐも音信不通になった事例
こちらが最近最も多いパターンのひとつです。
以下のような手口で韓国人男性を名乗る人物からお金を無心されたという事例です。
- D花 26歳 OL 年下好き
- 韓国人男性P 21歳 大学生
- 半年 110万
- マッチングアプリで知り合う
- 勢いで付き合う
- Pの家族が日本人が嫌い
- でもPは将来日本に行ってD花と生活したいという
- そのため、日本に来るお金が欲しいと言われる
- Pは学校の関係でアルバイトが難しく、親の目があるため、自力でお金が稼げないとのことだった
- D花は半年間お金を送り続けるも、なかなか日本に来る気配もない
- Pに「日本にいつくるの?」と尋ねた瞬間に音信不通に
- 後ほどプロフィール写真を検索かけると有名アイドルの写真だった
- 不通に
こちらはテレビの報道番組などでも過去に特集されるほど、被害が多い事例です。

ストーリー⑤:会いに行くときに交通事故!?交際中のカナダ人女性が弁護士費用を求めてきて…という事例
こちらは比較的古いストーリーではあるもののまだまだ現役であること、また詳細な部分において新しい手口が使われていることから、あえてここでご紹介しておきます。
- E助 41歳 独身。大企業でそこそこの重役
- カナダ人女性X 27歳 車が好き
- 1700万 2年
- 婚活アプリで知り合う
- カナダ人女性と付き合う
- しかし、お金があまりないというXにE助はお金の援助をしていた
- 1年後、日本に行くという連絡が急に来る
- そこで車で事故にあったという連絡が
- 交通事故を起こしてしまい、空港にいる男性を殺してしまったと
- このままでは逮捕されてしまうと泣きつかれる
- Xが轢いた男性の弁護士からも連絡がきて、このままだとXは逮捕されてしまい、借金して支払いをしなければならないと伝えられる
- E助は彼女を愛していたので、提示金額を入金する
- その後、その弁護士事務所やそのような事案がなかったことが確認され、Xに問いただすと音信不通に
いわゆる劇場型の振り込め詐欺を彷彿とさせる国際ロマンス詐欺事例です。
このように日本国内で流行した詐欺の事例やスキーム・台本の類が、海外に輸出されているというケースもあります。
まとめ
今回ご紹介したように国際ロマンス詐欺は、大事に手口が巧妙・狡猾化していることから、なかなかお一人の目では判断しきれないというケースも多くなってきています。
大切なことは、まずはご友人や知人の方にこのような状況になっているとご相談いただくことです。
また国際ロマンス詐欺被害に強く、事例の知見が集積されている当事務所のような弁護士事務所にご相談をいただくことも有効です。
金銭の送付がある場合には一刻の猶予もありません。まずは当事務所までご連絡・ご相談いただくことを強くお勧めいたします。24時間365日、ホットラインでご連絡・ご相談を承っております。