- 性別:女性
- 詐欺の種類:国際ロマンス詐欺
- 被害額:190万円
- 職業:専業主婦
〈砂に書いたラブレター〉
波に誘われて、風と共に溶けてく。
─あたしの恋の結末は、いつもこう。
既婚者になったいま、きっと、このくらいが…ちょうどイイ。
「愛してるとか、好きだとか・・・そんな言葉はいらないわ。ただそばにいるだけでいい。それだけで幸せだから」
なんてセリフ、よく聞くけれど。正直、意味が分からない。
だって、好きな人と一緒なら、近くにいるだけでも幸せな気持ちになれる。
それが本当の恋愛だと思うから。でも、現実は違う。
前置きが長くなってしまいました。
私は今回ネットの海を彷徨い、恋に落ち、そして騙されてお金を支払ってしまいました。
ママ友にも言えない、こんな話。
でも、弁護士さんによると、私と同じように苦労されている方が多いそうです。
そこで私は今回、被害者を増やさないため、自分の恥をネットの海に放流します。
当サイトでは、気軽に弁護士と相談してもらうため、LINEにてお話を伺っています。気になる方は、下記のリンクからラインQRを表示させ、登録してください。
平凡な主婦が、ネットの海に自由を求めて
少し自己紹介します。私は30代前半の主婦でした。
数年前までは主人と仲が良く、子供は一人。
毎日それなりに楽しく暮らしていました。
でも、刺激がなかったんです。
リアルの私は既婚者だから、出会いを探すことはできません。
でも、ネットの世界なら自分を作れる。飾れる。
幸い、私は英検準一級を持っていて、英語が使えます。
だから海外のイケメンと…せめて、ネットの世界だけでも疑似恋愛をしたい。
そう思ってマッチングアプリで海外の男性とマッチングをしていました。
26歳の英国兵士との出会い…ハニーと呼ばれた私
そこで出会ったのがイギリス人の兵士。
彼は26歳で、私の好みの「ど真ん中」。
─きっとこれは運命なんだ。
私は彼とのいけない恋にどんどん沈んでいきました。
─彼とのメッセージのやり取りが始まってから約2週間。
毎日彼は連絡をくれました。
英国紳士って、本当にいるんだと思いました。
とても紳士的でうちの主人とは大違い。主人のようにモラハラをしてくることもなければ、(痛い時期に限って)いきなり胸を揉まれたりすることもありません。
私のたわいもない話を聞いてくれて、戦地という特殊な現場にいる彼が、私の日常の話で少しでも癒されてくれるなら…私は、それで幸せでした。
しかし、ある日突然「Hon,あなたにずっと隠していたことがある」と言い出したのです。
あっ、Honっていうのは、Honeyのabbreviation。つまりネイティブの略語ですね。
とにかく今考えれば怪しい話でしたが、当時の私は深く追及せず、彼の言うことをすべて受け入れました。
彼は私に、改めて自分が軍人であること、そして、戦地で貧しい子供たちのために活動してきたことを話し始めました。
まるで自分の使命を明かすように語る彼に、私はすっかり、惚れ込んでいきました。
尊敬と恋愛感情が混ざった、そんなキラキラした感情でした。
─すごい! この人はとても立派な仕事をしてる。
彼こそ、理想の恋人。
それから、彼の話はさらに熱を帯びていきました。
私はその話を聞きながら、心の中でうっとりとしていました。
─ああ、素敵な男性だなぁ……。
こんな人に愛されたいなぁ……と。
過去のある彼と、ともに未来を創る。そう決心した夜
彼「君も知っての通り、俺は戦争に行ってきた。たくさんの人を殺めた」
私「・・・そうよね」
彼「きっと君はこの先、何年経ってもこの罪を僕とシェアしなければならない」
私「・・・それもそうね」
彼「それでも、君のことは一生守り続けるよ」
私「・・・えっ?」
彼「ただし、キミは既婚者だ。それは理解している。君の家庭を壊すつもりはない。」
私「(そりゃそうだけど・・・)」
彼「だけど、僕は今、軍を除隊しようと考えている。除隊したら、日本に行って同じように苦しんでいる子供たちのため、NPOを設立したいんだ。もし、良かったら一緒に日本で活動をしないかい?」
私「それって・・・私が理事になるってこと?」
彼「ああ、そうだ。恋愛関係になることはできないが、一緒にビジネスパートナーとして生きていこう。もちろん、今すぐ返事をしてくれとは言わない。ゆっくり考えてみてくれ。」
彼「それじゃあ、またね。Hon,良い夢を。」
私は一晩眠れませんでした。
平々凡々な暮らしをしていた私がいきなり、イギリス人のイケメン兵士と日本でNPOを立ち上げ・・・理事になる!?
退役軍人とNPO設立で理事に!?大出世のチャンス到来
ママ友なんてきっと、理解のできないことです。
旦那も見返せることでしょう。
※調べたらNPOでも利益を出すこと自体はできるようで、私は彼とお金を両方、手に入れられるチャンスを得たと確信しました。
それから数日後。
彼は軍を抜けるため、お金が必要だと私に相談してくれました。その金額は150万円。そして彼が日本に渡航してくるための金額が40万円。
正直大きな出費です。でも独身時代から貯金してきた蓄えがあるので、払えない金額ではありません。
私は即座に彼とビジネスをするための投資と考え、190万円を振り込む決心をしました。彼は軍人なので、今彼の口座にお金を入れるわけにはいかない。だから、日本にいるベトナム人協力者の口座に振り込んで欲しいと言われました。
もともと経済学部から軍に入隊したという彼。彼の言うことに間違いはないでしょう。
私はその日のうちに、ベトナム人の方の口座にお金を振り込みました。
振り込んでしばらくして、銀行のカスタマーセンターから電話が来ましたが・・・問題ない振込なのでそのまま処理してほしいとお伝えして事なきを得ました。
姉「それ、詐欺だよ。ニュースで見たばかり。」
振込をしてから2日後。
私はどうしてもこの話をしたいと思い、今まで私に対してマウントを取り続けてきた姉に話をしました。どうしても姉の悔しそうな顔を見たかったのです。
姉に話した所、とても悲しそうな顔をしていました。
悔しいのかな?私が姉を見返せたのかな?そう思っていたところ、姉から一つのネットニュース記事を見せられました。
そこにあったのは、私とまったく同じ状況でお金を振り込んでしまった国際ロマンス詐欺被害者の方の情報でした。
信じたくない。彼だけは大丈夫。
何度も私自身に言い聞かせました。でもあまりにも、私と状況が同じ過ぎたのです。
存在しない人を愛していた…弁護士事務所で発覚の事実
その日の午後。
私は弁護士事務所にいました。姉と一緒です。
姉が「本当に安心できる相手かどうか弁護士さんに確認してもらおう。」と、弁護士事務所に私を連れてきたのです。
国際ロマンス詐欺被害に詳しい弁護士さんに話を聞いたところ、熱に浮かされている私でもわかるくらい、明らかな詐欺事案であることが分かりました。
そして、私の将来のビジネスパートナーだと思っていた人物は…アフリカ系の男性である可能性が極めて高く、そもそもイギリス人兵士なるものは存在しなかったのです。
正直、私の立場で返金なんて考えられませんでした。それでも子供の将来のため、そして子供を授けてくれた主人との将来のため、私はこのイギリス人兵士を名乗る詐欺師と戦うことを決めました。
弁護士さんに正式にご依頼して話を進めて頂いたところ、やはりイギリス人兵士は真っ赤な嘘。
入金先に使ったベトナム人口座は、同じように騙された方が誰が振り込む先の窓口ということでした。
弁護士に依頼してよかった!被害回復に成功
弁護士さんは速やかに警察や金融機関と連携してくださり、私の被害はある一定の割合で取り戻すことができました。
彼とはその後連絡がつかなくなり、どうやらアカウントが凍結されたのと同時に本人が逮捕されたのではないか?という情報もありました。
しかし、お金を取り戻せた今となっては知る由もないことです。
このように私の恋愛感情と、私の周囲を驚かせてやりたいという感情をうまく利用された、そんな私の恋路は幕を閉じました。
皆さんも、私と同じように騙されないように注意して下さいね。
