国際ロマンス詐欺は悪質で、多様な手口がはびこっています。
この記事では、国際ロマンス詐欺について、名古屋で実際に起きた事例の具体的な内容や手口を解説していきます。
- 国際ロマンス詐欺の事例を知りたい
- 名古屋で詐欺被害に遭った事例を知りたい
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名古屋で実際にあった国際ロマンス詐欺の事例について

以下では名古屋で実際に発生した「国際ロマンス詐欺」の事例について具体的に解説していきます。
出会い系サイトで出会ったアメリカ人男性に騙された事例
登場人物…アメリカ人男性・日本人女性
出会い…マッチングサイト
国際ロマンス詐欺の手口としてインターネットを通じて知り合った相手が詐欺師で、真剣交際をしているつもりだったが金銭を騙し取られるというケースが典型的です。
ある事例では、マッチングサイト上でアメリカ人を名乗る男性が日本人女性から金銭を騙し取りました。
この女性はこのサイト上で男性と親睦を深め、コロナ禍で外出もできず恋人を作る機会がまったくなかったため、親密な相手ができたことに喜び有頂天になっていました。
半年以上にわたり交流は続き、男性は「仕事の都合で日本に移住することになった」「そのタイミングで結婚しよう」とプロポーズしたのです。
彼女はプロポーズに喜びましたが、彼から仕事のために購入した機械の支払いをしたいが、彼が持っているクレジットカードでは支払いができないため、「日本で立て替え払いをしておいてくれないか」と依頼を受けます。
支払い金額は約670万円と高額ですが、彼女は困っている彼を助けたいと思い立て替え払いをしてしまいました。
実は、メッセージアプリで送られてきた機械の写真や代理人とのやり取りなども巧妙に作り上げられたものでした。未だに女性は支払った現金を取り戻すことができておらず、国際ロマンス詐欺の被害に遭ったと考えられています。
SNSで知り合った相手にお金を振り込ませた事件
登場人物…外国人を装っていた日本人男性・日本人女性
出会い…SNS
次に紹介する事例もインターネットを通じて知り合った女性を騙した男性が、金銭を詐取したケースです。
この事案で詐欺師の男性はSNSを利用して女性に接触を図っています。男性は日本人でしたがSNS上では外国人を装い、被害者の女性に好意を抱かせ金銭を振り込ませました。
詐欺をはたらいた男性は自分名義の銀行口座に振り込まれた現金200万円を犯罪で得たものと認識したうえで引き出した疑いで逮捕されました。
なお、被害者の女性は男性にお金を振り込むために勤務先の会社から約1,000万円を横領したため、有罪の実刑判決を受けました。
詐欺師のために1億円もの大金を横領した事件
登場人物…外国人男性・日本人女性
出会い…インターネット
ある女性がインターネットを通じて知り合った外国人の男性に経済的な援助をするために勤務先から多額の金銭を横領するという事件がありました。
詐欺被害者の女性は勤務先の医療法人の経理担当として在職しており、その数か月の間に1億円以上の使途不明金があり、愛知県警により捜査が進められました。
この女性は横領が明らかになっている1,000万円を着服したとして逮捕され、「交際相手が金銭的に困窮しているため援助したかった」という趣旨の供述をしていました。
また、この女性は容疑がかけられている1,000万円以外にも数百万円以上の現金を複数回に分けて、外国人を名乗る男性名義の銀行口座に振り込んでいたことも明らかになっています。
この女性は勤務先に20年以上も勤務していたにもかかわらず業務上横領をはたらき、発覚してすぐに勤務先を退職しています。
60代の男性の被害を銀行員が察知し未然に防いだ事例
登場人物…60代の男性・銀行員・アメリカ人女性
この事例は、国際ロマンス詐欺の被害に遭いそうになっていたところ、銀行員が不自然さを察知して現金がだまし取られるのを未然に防ぐことができた事例です。
愛知県内に在住の60代の男性が「とにかく税金を振り込みたいが口座に金がない」と銀行の窓口を訪れました。
融資をしたいという趣旨かと尋ねる窓口担当の女性行員の質問にも、男性は曖昧な答えに終始していました。
男性は外国人の個人口座に振り込みをしようとしていたため不審に思った銀行職員は、相手とやり取りしたLINEのトーク画面を確認したところ、国際ロマンス詐欺であると発覚しました。
この男性はSNSで知り合ったアメリカ人女性を語る相手方から「将来日本ではたらきたいと思っているので一時的に貯蓄を預かってほしい」と依頼を受けました。
その後その女性は男性の銀行口座に現金を振り込もうとしたところ、アメリカの当局から税金の支払いを求められていると男性に連絡していました。男性は女性から約240万円を要求され、それを振り込むために銀行を訪れていたのです。
この事案は、国際ロマンス詐欺被害を振り込みの直前で防ぐことができた珍しい事案です。
インスタで出会った相手から荷物を受け取って欲しいとだまされた事例
登場人物…韓国人を装う男性・日本人女性
出会い…インスタグラムのDM
次の事案は荷物を預かって欲しいという依頼を引き受けたことで現金をだまし取られてしまった事案です。
ある女性はインスタグラムのダイレクトメールで知り合った韓国人を名乗る男性と親しくなりました。
連絡を取り合っているうちに男性から「ある荷物を受け取って欲しい」と依頼されますが、女性側はネット上で知り合った人間に自分の住所を教えたくないと最初は断ります。
すると男性側は「大切な荷物である」と執拗に依頼してきて、さらに外国人登録証明書の写真がメッセージに添付されてきたのを見て、男性を信頼してしまいました。
数日後国際宅配業者を名乗る人物から連絡があり、「税金を支払ってもらえなければ荷物を配達することはできない。荷物が破棄されないようにするには40万円を支払ってもらう必要がある」と言われてしまいました。
困った女性は相手方の男性に連絡しますが、まったくつながらず、仕方ないので40万円を支払いましたが一向に荷物は配達されません。
この段階になってようやく、女性は国際ロマンス詐欺に遭ったと気づきました。この被害者は現金をだまし取られたのみならず、住所という個人情報も相手に知られてしまったことで悪用されるのではないかと不安を募らせています。
Facebookで知り合った女性から手術費用をせがまれた事件
登場人物…日本人男性・イギリス人の女性
出会い…Facebook
家族の入院・手術などのために医療費を肩代わりして欲しいと騙されて現金を奪われるケースもあります。
この事案で日本人男性は、Facebookで知り合ったイギリス人のシングルマザーと個人メッセージをやり取りするうちに仲良くなります。
やり取りするうちに、彼女は元夫のDVが原因で離婚に至り、女手一つで息子を育てているということを明かしました。
そして幼い息子は元来体が弱く病院に入退院を繰り返しているとのことでした。
そんなやり取りをした後、彼女の息子が緊急搬送された病院から男性に対して連絡があり、「子どもを助けるためには今すぐ手術が必要である」と告げられ母親には支払能力がないことも伝えられました。
そのうえで手術費用を今すぐ支払ってもらわなければ手術ができず子どもは死亡してしまうと伝えられました。
彼女の子どもを助けられるのは自分しかいないとパニックになった男性は要求されるがまま現金を振り込んでしまいました。
男性は、手術の経過が気になり女性に連絡するも返信はなく、支払った現金も取り戻すことができておらず国際ロマンス詐欺の被害にあったとみられています。
アプリで知り合った男性の事業が失敗したから送金した事件
登場人物…アメリカ人を名乗る男性・日本人女性
出会い…アプリ
この事例ではアプリで知り合ったアメリカ人を名乗る男性から現金をだまし取られた事例です。女性はアプリを通して知り合ったこの男性と交流を続けるうちに交際に発展しました。
2人はいずれ男性がアメリカから日本に移住して一緒に暮らすことを約束していました。男性はアメリカで会社を経営しており、大きな商談が成立した暁には日本へ移住するという計画になっていました。
そして男性はある商談が成立する見込みであり、「成立すれば収益として数億ドルが得られることになっている」「しかし今手元に手付金が不足しているため150万円を貸してくれないか」と女性に要求します。
その際「お金は必ず返す。日本に行ったら結婚しよう」という内容を伝えられました。
女性はこの困難を乗り越えれば男性と結婚できると喜び、すぐに男性に言われるまま現金を振り込んでしまいました。
しかし、その後この男性とは連絡が取れなくなってしまい、国際ロマンス詐欺の被害に遭ったことが明らかになりました。
国際ロマンス詐欺かも?手口とよくある特徴について

国際ロマンス詐欺のよくある手口や特徴とはどのようなものなのでしょうか。
外国人をかたったものやメールやLINEなどインターネット上のテキストメッセージで巧妙に接触してくるものもありますので以下で解説していきます。
外国籍の軍人や医師などお金持ちを装って近づく
国際ロマンス詐欺では詐欺師は、実際には存在していない架空の人物に成りすまして被害者となる異性をターゲットとして接触を図ってきます。
詐欺師が成りすます人物像として多いのは、軍人や軍医、医師、弁護士です。
ターゲットを信用させるために実在する軍人の写真や画像などを利用してあたかも当人がその軍人であるかのように装って近づいてきます。
特に軍人について日本には軍隊がなく、一般的な徴兵制度などもないため職業軍人について具体的にイメージすることができません。
また軍人と聞くと屈強な男性のイメージもあるため頼りがいのある誠実な男性だと誤解させる目的もあるのでしょう。
交流を進めて恋愛感情を抱かせ結婚をチラつかせる
国際ロマンス詐欺の詐欺師は架空の人物を演じているため実際に会ったりテレビ電話などをすることはできません。
そのためやり取りはSNSやマッチングアプリなどネットワーク上のやり取りがほとんどです。数か月にわたって頻繁に交流を行い相手に安心感や恋愛感情を抱かせます。
ターゲットと非常に親密な関係になったところで結婚や将来一緒に生活することを望んでいるということをちらつかせます。
お金が必要になる出来事が頻繁に起こるようになる
詐欺師の最終的な目的はターゲットから現金をだまし取ることです。
そのため頻繁にお金が必要となる出来事やトラブルが発生します。ターゲットにされている異性は外国で起こっていることなので言葉や制度も理解できずその真偽を確かめることもできません。
詐欺師がよく使う出来事やトラブルは以下のようなものです。
- プレゼントを送ろうとしたが税関で見つかり多額の罰金や税金を支払わなければならなくなった
- 結婚資金や生活資金を得るための事業が成功しそうだが、出資に必要な現金が今手元に不足している
- 家族が急に入院・手術することになったが医療費が捻出できず立て替え払いをしてほしい
結婚資金を貯める名目で投資などに参加させられる
中には結婚資金や生活資金を形成するためという理由で投資詐欺に遭うケースもあります。
具体的には特定の投資セミナーに参加させられたり、おすすめの仮想通貨に投資するように誘導されたりして言われるがまま現金を融資してしまうものです。
その後、業者と連絡がとれなくなったり、入金した現金が引き出せなくなったり、または引き出すには多額の費用が必要になったりするなどのトラブルが起きています。
十分にお金を巻き上げたら急に連絡が取れなくなる
現金の交付を受けた場合、詐欺師としてはもう被害者には用がありませんので一切の連絡が取れなくなる可能性があります。
こちらから連絡を取ろうとしてもSNSやサイト・アプリのアカウントを削除してしまいそれ以上相手方の情報もないため、何の連絡もとれないという可能性もあります。
このような流れで国際ロマンス詐欺が完了するというのが一般的な詐欺師の手口です。
国際ロマンス詐欺の被害に遭ったらするべきこと

それでは国際ロマンス詐欺の被害にあったらどのような対処が必要なのでしょうか。
現金をだまし取られた際も被害が最小限で済むようにするために重要なことを以下で解説していきます。
メッセージや送金の履歴など証拠をできるだけ集めておく
まず、国際ロマンス詐欺の被害に遭った疑いがある場合には、できるだけ相手方とのメッセージのやり取りや送金の履歴などの証拠を集めておいてください。
SNSのアプリによっては相手が送信したメッセージを事後に消去できるものもあります。
相手からの要求によって現金を振り込んだということを証明するためにもトーク画面やメールの文面などはスクリーンショットなどで保存しておく必要があります。
またアカウント情報やプロフィールなど相手方に対する情報も証拠隠滅される可能性があるため保存しておくべきです。
詐欺師に個人情報を教えないようにする
マッチングアプリや出会い系サイト、各種SNSで出会った人には個人情報を教えないでください。具体的には住所や銀行口座の番号などです。
そのような個人情報は国際ロマンス詐欺であなたから現金をだまし取る過程で利用される可能性もあります。
後日個人情報が出回って悪用されるリスクもあるため、取り扱いは慎重に行いましょう。
送金や投資をしている場合はそれ以上やらない
一度相手方の要求にこたえて送金や投資によって現金を動かした場合であっても今後はやめてください。
詐欺師は、追加費用が必要であるとか、支払わなければ裁判になるなどと言って、あの手この手であなたからさらなる現金をだまし取ろうとしてくるはずです。
しかしさらなる詐欺被害を防止するためにもこれ以上あなたのお金を動かすことはやめましょう。
そうすることによって詐欺被害を最小限でとどめることができます。
弁護士など信頼できる人に相談してみる
詐欺師はあなたから可能な限りお金を支払わせようとします。
そのため相手が言っていることが本当かもしれないと不安な場合には弁護士などの信頼できる第三者に相談してみましょう。
そうすれば詐欺師が言っていることが虚偽であることがはっきりすると思います。
まとめ:国際ロマンス詐欺かもと思ったら弁護士を頼ろう

国際ロマンス詐欺に騙された疑いがある場合にはすぐに弁護士に相談してください。
証拠が集められ、調査ができる場合には騙し取られた現金が少しでも戻ってくる可能性もあります。
ご自身ひとりで悩まず、まずは法律の専門家である弁護士に依頼することがおすすめです。
