結婚詐欺の詐欺師は男女で異なる特徴があります。さらに詐欺の手口に特徴があるのみならず結婚詐欺のターゲットとされる被害者側にもある共通した特徴があることが分かっていますので解説していきます。
結婚詐欺師側の特徴、被害者として狙われやすい人の特徴の両方を理解して詐欺被害に遭わないようにすることが重要です。
・結婚詐欺師が男性の場合の危険な5つの特徴がわかる
・結婚詐欺師が女性の場合の危険な5つの特徴がわかる
・結婚詐欺師に狙われやすい被害者の4つの特徴がわかる
・結婚詐欺師に騙されないようにするための5つの予防策がわかる
・結婚詐欺の被害に遭ってしまったときにとるべき3つの対処法がわかる
結婚詐欺師が男性の場合の危険な特徴5つ

交際してる男性が結婚詐欺かどうか不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。特に相手がお金を持っていたり理想的な人物の場合には結婚願望も膨らみます。男性が結婚詐欺師の場合には以下のような5つの危険な特徴がありますので、この特徴に複数該当する場合には結婚詐欺師の可能性があります。
高収入を装っておりお金に困っていないアピールをする
結婚詐欺師の男性は、高収入であったり経済的に余裕があると誤解させることが多いです。なぜなら、高収入の男性の方がそうでない男性より魅力的に見えるからです。そのため経済的に余裕のある男性の方が交際相手・結婚相手の候補に選ばれる可能性が高いのです。
そして高収入な人物を演じるために、一般的に給料・報酬が高額な職種に就いていることをアピールする男性が多いです。具体的には、「医師」や「弁護士」、海外企業を相手に製品を輸入・販売する「個人事業主」などを語ることが多いです。
また最近ではフリーランスのコンサルタントやプログラマーなど個人で大きく稼いでいる印象を与えることができる職業をアピールする場合もあります。
住所や会社の情報を教えてくれない
結婚詐欺師の男性は、自宅住所や勤務先・会社名を教えてくれません。なぜなら結婚詐欺は最終的にはあなたから現金をだまし取ることが目標であるため、目的を達成すると行方をくらませる必要があるからです。つまり結婚詐欺が完了した場合、住所や勤務先が被害者に判明していると、そこから足がついて被害者や警察から追及を受ける可能性が高まるということです。
したがって、素性を隠したい結婚詐欺師は自宅住所や会社名を教えたがりません。
さらに結婚詐欺師は個人が特定できる情報は教えたがらないため、被害者に開示されている多くの情報が事実と異なる・虚偽である可能性も高いです。つまり氏名、自宅住所、勤務先・会社名、最終学歴、これまでの経歴などについて嘘をついている可能性が高いということです。
怪しいと思った際には、教えてもらった名前や会社について一旦インターネット上で検索してみることをおすすめします。この段階で明らかに嘘をついていることが判明することもあります。
早い段階から結婚の話をしてくる
結婚詐欺師の男性は、出会いから交際・結婚までの展開が早いという特徴があります。なぜなら、結婚詐欺の目的は相手方から金銭をだまし取ることだからです。そのため詐欺師の視点からすれば時間をかけずに多額の現金をだまし取れた方が効率がよいのです。そのため交流がはじまった早い段階から結婚の話をしてくるという特徴がみられます。
具体的な結婚詐欺の手口としては、親交が始まった早い段階で恋愛関係であることをしきりに強調したり、将来の結婚について意識させる発言・セリフが目立ってきます。早い段階で相手方に恋愛感情を抱かせることで、親交を深めて自分の思い通りにコントロールできるようにしようとしているのです。
「結婚」や「恋愛」という直接的な言葉を使わずとも、詐欺師は「将来一緒に暮らそう」「僕たちのこどもはきっとかわいいに違いない」など婉曲的に結婚を匂わす言動をすることも多いです。これはいざ詐欺容疑で逮捕されたような場合でも明確に結婚する意思を表示したことや自分から結婚を申し込んだ事実はないと言い逃れできるように逃げ道を確保しているのです。
理想的な相手を演じて気持ちを満たしてくれる
結婚詐欺師の男性は、相手方の理想的な恋人像にマッチした人物を演じます。そのため被害者の女性は理想的な男性に出会えたと浮足立って恋愛感情を抱いてしまうのです。男性の詐欺師の場合には、経済的に余裕があり紳士的で優しく清潔感があり、言動に余裕が感じられる人物を演じる場合が多いでしょう。
また理想的な男性だと感じさせるために、詐欺師は「聞き上手」であるケースも多いです。女性側の悩みや不安をじっくりと聞いて、しかも決して相手を否定しないというテクニックにより相手を簡単に信用させるのです。具体的には「これまで大変だったんだね」「君は全然間違ってないよ」など自分を肯定してくれる存在になることで女性側の気持ちを満たすことができますので、被害者の女性に「この人と一緒にいたい」と思わせることができるのです。
女性の喜ぶツボを押さえておりマメに対応してくれる
また結婚詐欺師は女性の喜ぶツボを的確に押させています。日常生活ではかけられることがないような「甘い言葉」や歯の浮くよな「恥ずかしいセリフ」を多用することも多々あります。
具体的には「愛してる」や「君のためなら死んでもいい」など映画やドラマでしか聞いたことの内容なセリフも当事者の恋愛感情を盛り上げるのには非常に効果的な場合があります。
なぜこのような言動をするのかというと、女性側に対して「自分はいままさに恋愛をしている」ことを実感させるためです。そして相手方に「特別扱いさせれている」と錯覚させることで相手の信頼を簡単に獲得することができます。「特別扱い」されている感覚が重要ですので、被害者からの信頼を勝ち取るまでは頻繁に連絡を取り合いマメに連絡をくれることも多いです。この期間は結婚詐欺師からすれば「仕込み」の準備期間ですのでじっくりと時間をかけて対応します。そのため被害者の女性もお金をだまし取られるそのときまで相手を信頼してしまっているケースが多いのです。
しかし実際、結婚詐欺師が女性の喜ぶツボを押さえて、甘いセリフや恥ずかしい言葉を多用できるのは、実際には存在しない架空の「優しく理想的な交際相手」を演じているに過ぎないため平気であると考えることができます。
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結婚詐欺師が女性の場合の危険な特徴5つ

結婚詐欺師が女性の場合には、男性詐欺師とはまた違った手口の特徴があります。以下では男性をターゲットとする詐欺の場合の女性詐欺師の特徴について解説します。交際相手が結婚詐欺でないかと不安に思っている男性の方は、以下の5つの特徴にあてはまっていないかどうかをチェックしてください。
美女ではないが男心をくすぐる人物である
「女性詐欺師」と聞くと、容姿端麗でスラっとモデルのような女性を連想される方が多いですが、そんなことはありません。実際には特別美人ではないものの多くの男性を翻弄して多額の現金をだまし取ったような女性詐欺師もいます。
特別美人ではない女性詐欺師が被害男性を騙せるのは、「男性の心理」を上手に利用するからです。まず男性は容姿端麗な女性が接触してくるよりも、容姿が普通または男性側よりも劣っている女性が接触してくる方が警戒心を抱きにくいものです。
さらに後者のタイプの女性の方が、より男性は素の状態で自己開示してしまう傾向がありますので、自己開示をした分より相手方を信頼してしまうという状態になってしまうのです。
また容姿の美しい女性に批判されるよりも、容姿が美しくない女性に批判される方が心理的に抵抗が少ないと言われています。そのため容姿が美しくない女性の方が男性にズカズカと本音で会話しやすく男性側にもストレスが少ないのです。
このように女性詐欺師は人間の心理的な傾向やバイアスを巧みに利用して男性側の信頼を獲得しているということができます。
悲しい身の上話をして同情心を煽ってくる
結婚詐欺師が女性の場合には、強くて頼りがいのある人物というよりは、男性側が女性側を支えてあげなければと思わせる人物である傾向が強いです。
具体的には、悲しい身の上話をして同情心を煽る能力に長けている詐欺師が多いです。
「幼少期からお金がなくて生活にも困っている」「親族が入院して治療費がかさんで支払えない」などと言って現金をだまし取るのは典型的です。重要なのは詐欺師の側からお金を援助して欲しいと言っていない点です。そのためターゲットの男性は自分の選択として経済的に援助することを決定したと思い込んでいることが多いのです。
女性詐欺師は、過去の苦労した経験や不遇な家庭環境などを話すことで男性側の庇護欲を刺激します。つまり男性は自分よりも弱く困っているこの女性を守ってあげたいと感じるようになるのです。「この女性は自分の援助を必要としている」と錯覚し、女性をサポートすることで自分の存在価値を強く認識するようになりますが、これは逆に男性側が女性側に依存している状態でもあるのです。
孤独な男性や経験が少ない男性をターゲットにしている
交友関係が希薄で内向的な男性や高齢の男性、女性経験が少ない男性は、女性詐欺師のターゲットになりやすいです。
まず内向的や交友関係が希薄なため孤独な男性は、相手方女性との関係にのめり込んでしまう可能性があります。孤独なタイプの男性は「自分を必要としてくれていること」「この女性は自分を選んでくれたこと」に喜びを感じ相手に執着してしまう傾向があります。
また女性経験が少ない男性の場合には、性的なアピールが効果的な場合が多いです。ボディタッチが多かったり、身体のラインが協調される衣服を身に着けることで簡単に男性の関心を引くことができてしまいます。
上記のような場合、多くの男性は精神的に舞い上がっていたり冷静な判断ができない状態になっていたりして、女性側が望むものは何でもしてあげたいという心理状態になってしまっているケースも見受けられます。
そのため女性に現金をだまし取られるまで詐欺の被害に遭っていることに気が付かない場合も多いのです。
家庭的で尽くしてくれる女性を演じている
女性詐欺師は、相手方に対して家庭的で尽くしてくれる女性を演じている可能性が高いです。なぜなら家事や子育てを積極的にしてくれる女性の方が男性にとってはありがたい存在だからです。
具体的には料理が得意だったり、子どもが好きで世話好きであったりすことをアピールします。経済的にも家庭的である点を強調する場合もあります。
例えば、普段はハイブランドではなくファストファッションを好んで着ている、高価な外食のみではなくチェーン店のファーストフードも好んで食べていることをアピールして親しみやすさを演出する場合もあります。
自分のことをあまり話さず友人にも会わせてくれない
女性詐欺師の場合も、自分の詳しい過去や経歴、自宅や勤務先などの情報を伏せたがります。なぜなら結婚詐欺が発覚した際に、個人情報から足がつく可能性があるからです。
そのため女性詐欺師は、自分の生い立ちや経歴、学歴など個人が特定できるような情報を話したがりません。

当てはまったら危険?結婚詐欺師に狙われやすい人の特徴

結婚詐欺師に狙われやすい人物には共通した特徴があります。
以下の要素に該当している方は結婚詐欺の被害に遭わないように十分に注意しておく必要があります。
高収入な職業に就いている人やお金を持っている人
高収入な職業に就いている人やお金を持っている人は結婚詐欺師に狙われやすいです。
詐欺師もまずは外形的・客観的な情報を頼りにカモを探しています。ただし結婚詐欺師は、必ずしも高級住宅街に居住して高級車を乗り回してる富裕層ばかりを狙っているわけではありません。
定職について決まった給料をうけとり真面目に貯蓄をしている人や、退職して退職金が入った独り身の男性などの財産は狙われている可能性があります。
相手に尽くすタイプの恋愛をする人
恋愛関係において相手方に尽くすタイプの人は結婚詐欺師の格好の餌食です。
なぜなら、相手に尽くすタイプの人物は、相手方からの要求に努めてこたえようとするため高額な金銭の場合でもなんとか工面して交付してしまうからです。
これは被害者の性格的な特徴に影響される部分が大きいですが、他人のために活動したりサポートしたりすることが好きで、それが愛情であると考えている方はその性質を逆に利用されてしまうリスクがありますので注意しておきましょう。
恋愛経験が少なく周りに異性がいない人
恋愛経験が少ない人物も結婚詐欺師のターゲットになりやすいです。
その人の恋愛経験が少ない理由にもよりますが、自分に自信がないタイプの方や内向的で社交的ではない方などは異性交際が苦手な方も多いでしょう。そのようなタイプの方は結婚詐欺師に自己肯定感を刺激される言葉をかけられたり一緒に時間を過ごしたいりすることで相手方が唯一無二の存在だと誤信してしまいます。
また過去に比較する経験が乏しいため、金銭の交付を要求されても「恋愛関係ではこれが普通のことなのだ」と思って相手に現金を渡してしまうパターンも多いです。
また被害者の身近に異性が少ない人は、比較対象がいないため相手の不自然な行動についても気が付かない、他人に相談できない状態になっている可能性もあります。
頼れる人が少なくすぐに人を信頼してしまう人
両親と疎遠、すでに亡くなっている場合や、友人・知人が少なく周りに相談できる人がいない場合も結婚詐欺の被害に遭う可能性があります。
恋愛絡みの場合には冷静な判断が難しくなるのが一般的です。それに加えて結婚詐欺の場合、相手の発言や行動に不審な点があっても客観的に判断するのは至難の業です。適切な助言やサポートをしてくれる第三者がいなければ被害に気づけないというパターンもたくさん報告されています。
結婚詐欺師に騙されないためにできることは?

それでは結婚詐欺師に騙されないように被害を未然に防ぐためにはどのような対処法があるのでしょうか。ここでは結婚詐欺師に騙されないようにするための3つのポイントを解説してきましょう。
相手の情報は正しいものか自分で調べてみる
結婚詐欺師は目的を達成して被害者からお金をだまし取ったあとには、行方をくらまします。そのため多くの場合、偽名などを使用して個人情報についても虚偽のものである可能性が高いです。そのため相手が開示している情報が正しいものかどうか自分で調べることが重要です。
運転免許証や保険証などを見せてもらうことも非常に有効な手です。普通の人であれば運転免許証や保険証などの身分証明書を見せることには何の問題もありませんが、偽名などを使用している場合には見せるわけにはいきません。身分証を見せることを頑なに拒否する場合にはあなたに嘘をついている可能性が高いとみて間違いないでしょう。
怪しいと思ったことがあれば誰かに相談してみる
交際相手の言動に不審な点があれば、すぐに信用できる第三者に相談してみましょう。自分では不審点に気が付けない場合であっても第三者の客観的な視点を導入することでおかしな点に気づける場合もあります。
そのような第三者としては両親や兄弟姉妹、親しい友人・知人など信頼できる人物であれば誰でもかましません。
周りに信用できる第三者がいないという人であれば弁護士などに相談するのも一つの手でしょう。弁護士によっては初回相談無料の事務所や自治体の無料法律相談などで相談することもできます。
お金の話をしてきたら詐欺師でなくてもアウト
お金を渡すことは少額であっても必ず拒否してください。
結婚詐欺師はあの手この手を利用してあなたにお金を交付させようとしてきます。それでも理由を付けて要求してきた場合には金銭の使途や、その証拠を提示してもらい、借用書に署名・押印してもらうようにしておきましょう。
金銭的援助がなければ維持できない関係であれば、遅かれ早かれそのような交際関係は金銭を理由に崩壊することになるでしょう。
結婚詐欺の被害に遭ってしまったら?やっておくべきこと

それでは、実際に結婚詐欺の被害に遭ってしまった際にはどのように対処すればいいのでしょうか。ここでは結婚詐欺被害に遭った際にとるべき3つの方法について解説していきます。
証拠になりそうなものは全て取っておく
相手から開示された情報や、LINE、メールのやり取りなど証拠になりそうなものはすべて保存しておきましょう。SNSでのDMやトーク画面は事後的に削除が可能なものもありますのでスクリーンショットなどで保存しておきましょう。
どのような資料がきっかけで相手の素性が判明するかは分かりません。そのため勝手に無関係だと判断しないように、相手と関係がある資料はすべて保存しておくことが重要です。
それ以上の送金や個人情報を教えることはしない
交際相手を「怪しい」と思った場合には、それ以上関わり合いを持たないようにして下さい。これまでに振り込んだり手渡した現金がある場合には、それ以上相手にお金を交付することはやめてください。
被害を最小限に食い止めるためにも送金を止めることは重要です。またあなたの個人情報についてもこれ以上相手に開示することは控えましょう。
信頼できる弁護士に相談してみる
結婚詐欺の被害に遭ったと思った場合には、必ず弁護士に相談しましょう。あなたが失った被害金額を詐欺師から取り戻すことができる可能性があります。
また詐欺師の素性が分からない場合であっても弁護士に依頼することで弁護士会照会などを利用して相手方の氏名や住所が判明する可能性もあります。
また結婚詐欺が刑事事件として捜査対象となった場合、捜査機関と足並みを揃えてあなたの被害を回復するために活動してもらえる可能性もあります。
まとめ|結婚詐欺師の特徴をつかんで被害を防ごう

この記事では結婚詐欺師の男女別の特徴や被害の予防・事後対応について解説してきました。結婚詐欺の手口には多くの共通した特徴があります。そのような特徴をしっかり理解して結婚詐欺の被害に遭わないようにすることが重要です。
ご自身のケースで結婚詐欺に該当するのか分からない、多額のお金を渡したが詐欺かどうか分からないという方は一度当所の弁護士に相談してください。
結婚詐欺事件に精通した弁護士があなたのフェーズでどのように対処ができるのか適切にアドバイスすることができるでしょう。
結婚詐欺についてはは、お一人で悩まず弁護士に相談することがおすすめです。
