『toyar』は、実態がなかなかつかみにくいものの、詐欺の舞台として用意されたサイトである可能性が高いです。
それは、日本の金融庁に登録も認知もされておらず、金融取引業者の情報を喧伝するブロガーなどの記事にも出てこず、取引業者としての実態はないものと思われます。
ここではそんなtoyarに関する被害事例を紹介した後に、誘われた場合＆入金してしまった場合の対処法について説明します。
- マッチングアプリで知り合った人にtoyarを紹介された
- SNSで知り合った外国人からtoyarに誘われた
- toyarに入金したお金が出金できなくなった
- 国際ロマンス詐欺について詳しく知りたい
toyarの基本情報
| 名称 | toyar |
|---|---|
| 所在国 | 不明 |
| 資本金 | 不明 |
| 所在地 | 不明 |
| 金融ライセンス | 不明 |
| メールアドレス | 不明 |
| 電話番号 | 不明 |
| URL | https://www.toyar.top/about-en.aspx |
残念ながら、toyarの基本的な情報はほとんど公開されていません。
ネット上で検索をかけても情報が出てきませんし、海外の投資関係のメディアにもtoyarが出てくることはありません。
なにより、日本の金融庁に業者としての登録もされていないのです。
ちなみに、金融庁への登録サイトはこちらのPDFでご確認ください。
toyarに対しての当事務所の見解
一般的に、海外の暗号資産（仮想通貨）取扱業者やFX業者は、広告費システムを導入しています。いわゆるアフィリエイトシステムのように、宣伝してくれるユーザーを募る傾向にあります。
よって、日本でも多くのブロガーやアフィリエイターが、海外の投資サイトを紹介しているのが一般的です。
彼らの宣伝力を利用して、海外の業者は自身へのアクセスを増やそうとしているわけです。
そんな彼らは、検索エンジン対策でほぼ全ての業者名を網羅する傾向があります。
toyarという言葉が検索に引っかかってこないということは、そのようなメディアですら扱われていないということ。
これは逆説的に、toyarとはかなり素性の怪しい業者であることを示唆しています。
また、toyarは金融庁に登録されてないだけでなく、金融庁から認知もされていないと思われます。
仮に、金融庁が海外の正規の取引業者として認識している場合、何かトラブルを起こした業者は実名で警告を発出されます。
大手仮想通貨取引サイトの『bybit』や『バイナンス』がこれに当たります。しかし、toyarについてはそれすらもありません。
このことは、toyarがほとんど取引業者としては機能していないという裏付けと言えます。
以上から導き出される結論はただ一つ。toyarは詐欺の舞台装置として用意されたものだということです。
toyarの口コミ評判
toyarについての口コミを紹介します。
最近また新たな詐欺サイトが誕生して、被害者も出ている模様。
サイト名は違っても中身は同じなのでこちらの画像に近いサイトは全て詐欺サイトです！
イケメンに誘導されても絶対に入金してはいけません。
ゲイの方要注意！#国際ロマンス詐欺#投資詐欺#仮想通貨詐欺#toyar#マッチングアプリ#ゲイ pic.twitter.com/VaRBG3DFjP— 国際ロマンス詐欺にあいました😭＠自己破産中 (@9Vady9) September 22, 2021
こんにちは、返信ありがとうございます。
それに気づいて、詐欺師から案内されたToyarという外部のアプリに送金しないですみました。こちらのアカウントを見つけて未然に被害に遭わずに済みました。30万円を失うところでした…ありがとうございました😭— 風の民です (@tossssy_sophia) October 2, 2021
toyarに誘われる被害事例
では、そんな実態をつかむことすら困難なtoyarに、どうやって勧誘されたり、またそこでの被害が発生したりしているのでしょう。
ここでは、具体的には事例をいくつか紹介します。なお、個人が特定できないように多少の再構成を加えています。
マッチングアプリ経由で勧誘された事例
わたしは43歳男性、都内の中堅企業に勤めています。
妻子もいる身ですがつい出来心でマッチングアプリに独身と偽って登録し、浮気相手になりそうな女性を探していました。
そんなある日、台湾在住を名乗る女性からメッセージをもらいました。
日本のことが大好きで日本人の素敵な大人の男性を探している、あなたのプロフィールをみて気に入ったのでぜひ仲良くしてください、とのこと。
写真を見て顔もスタイルも好みだったので、早速やり取りをはじめました。
最初のうちは他愛もない話ばかりでしたが、親しくなるにつれ、色っぽい話もするようになり、近いうちに日本で暮らしはじめたいから、そうなったらいつでも会って楽しいことができるね、などという話にも。
LINEの交換もしました。
そんな折、彼女から「toyarって知ってる？」というお誘いが。
日本への引っ越しに必要な資金を稼ごうとはじめてみたら、とても儲かったの、あんまり人には教えちゃいけないんだけど、家族とか親しい人には教えてもいいみたいだから、あなたにもぜひと思って。
最初は怪しいなあ、とも思ったのですが、日本に言ってあなたと会う時のための服も買ったの、などと高級そうな（しかも露出度の高い）服の写真も送られてきたり、なにより日本に来た彼女を浮気相手としてかこっておくには資金も必要だと思い、ついに、toyarにアクセスし、まずは試しに10万円ほど投資してみました。
結果、約2倍ほどの額になって返ってきました。
「あなた投資のセンスもあるのね！」などと彼女におだてられたこともあり、また「市場も今が稼ぐタイミングとして最高なの！」とも言われ、気が大きくなったわたしは、家族の万が一のためにと貯めてきた300万円の貯金を投資しました。
ところが、この金額を振り込んだ途端、画面上での手持ちの金額は急にほぼゼロに。
何が起こったかわからず慌てて彼女に連絡をしようとしましたが、LINEはおろかマッチングアプリでも音信不通に。
当然300万円は1円も返ってきていません。妻にも説明できず苦しい日々が続いています。
言語交換アプリ経由で勧誘された事例
わたしは39歳の独身女性。若い女がやたらと好きな日本人男性には嫌気がさし、いっそ素敵な外国人男性と恋人同士になることを夢見て、言語交換アプリ「 Tandem」に登録しました。
外国語系の私大を出ていたので、今でも日常会話ぐらいなら英語もなんとかなりました。
ある日、インド系英国人を名乗る男性から「日本語を教えて欲しい」とのアプローチが。顔写真をみてみると、エキゾチックで彫りが深くとても素敵な男性。
しばらくやり取りを続けてみると、どうやら貿易関係の仕事をしているらしく、たまにわたしにはわからない専門用語を交えつつかわす会話の端々にも知性が感じられ、すっかり虜に。
向こうもわたしの写真をみて「綺麗だね」「可愛いね」「すぐにでも会いたいよ」などと、語学の話の端々に熱いアプローチの言葉を毎日のように送ってきて、いつの間にかすっかり恋人気分になっていました。
そんなある日、「僕は仕事がらインドの富裕層やIT企業のオーナーともやり取りが多いんだけど、彼らが活用している資産を倍々ゲームのように増やしているサイトを教えてもらったんだ」との話が。
そのサイトの名はtoyar。いつも以上に難しい言葉を駆使しながらも、このサイトがいかに素晴らしいか、そしてまだ誰にも知られてなくてチャンスの宝庫か、ということを教えてくれました。
そして彼はこんなことを言いました。「実は、君と結婚を前提にして付き合いたい。でも、そうなると日本とインドとの間で行き来する必要も出てくる。その費用にもなると思うから、このtoyarでわたしと同じように資金を増やして、わたしとの結婚に備えてほしい」と。
彼のことをすっかり信用していた私は、このtoyarのサイトにアクセスし、慣れない投資の専門用語に戸惑いながらも、彼の指示にしたがって、いつかの結婚資金にと事務職でコツコツと貯めてきた210万円を送金しました。
「ありがとう！すぐにでもこのお金は倍ぐらいにはなるよ」これが彼からの最後のメッセージでした。詐欺にあったと気付いた時には、わたしには何も残っていませんでした。
Facebook経由で勧誘された事例
わたしは49歳独身男性。北関東で親から継いだ町工場を営んでいます。
10年ほど前に出た高校の同窓会をきっかけにFacebookを使い始めましたが、Facebookに流れてくる情報は家族との楽しげな様子の写真や、都内で羽振りのいい仕事をしている同窓生のきらびやかな生活や成功譚ばかりで、我が身との落差に落ち込み、だんだんとアクセスしなくなっていました。
ある日のこと、Facebookに見知らぬギリシャ人の美人女性からのメッセージが。
「あなたの工場の持っている技術に興味があります」とあり、大したものは作っていないはずと不思議に思いつつも、彼女とメッセージのやり取りを始めました。
結局、彼女の求める技術とうちの町工場はマッチしないということがすぐにわかりましたが、若い女性と言葉をかわすこと自体久しぶりだったので、色々と雑談を交わしているうちに、向こうも楽しんでいる様子で意気投合しました。
そのうち彼女から「あなたと出会えたのは素敵な偶然だわ」とか「パートナーとなって一緒に事業ができたらいいのに」などという話になり、すっかりわたしは有頂天になっていました。
そんな彼女と知り合って2ヶ月ぐらいたってからでしょうか。「ギリシャも経済が厳しいのは知ってるでしょ、だからみんな国なんかあてにせずに投資をやって、生活資金や起業資金を稼いでいるのよ」という話が。
そして「そうだ！あなたもわたしも一緒にやらない？」と言って教えてくれたのがtoyarでした。
「知り合いの投資の専門家から教えてもらったの、二人でここでお金を稼ぎましょう！」と言われ、その頃にはすっかり将来の仕事や生活のパートナーのなることを夢見ていたわたしは彼女を信用し、toyarへの送金を始めました。
最初は200万円ほど送金し、かなり儲かる動きを見せたので、さらに100万、200万……気がつけば、老後に向けた貯金と、工場の運転資金もすっかり切り崩して、総額で850万円も送金していました。
「もう流石に送金はできない、これが自分の限界だなあ」と彼女に雑談交じりに伝えたその頃からでしょうか、彼女からのメッセージの頻度が極端に減り、どうしたのだろうと思っていると、いつの間にかFacebookからアカウントが削除されていました。驚いたわたしはtoyarのサイトへ言ってみると残金はゼロ。
わたしはこれからどうしたらいいのでしょう。
まとめ：toyarに誘われた場合の対処法
実態がよくわからないtoyarですが、ここに誘われた場合の対処法は、他の様々な詐欺サイトと同様です。
- 誘ってきた相手は無視する
- 無視してみて様子を見る
- 弁護士に返金の相談をする
これら3つを実行するようにしましょう。
