- 性別:男性
- 詐欺の種類:投資詐欺
- 投資の種類:海外FX
- 被害額:1800万円
- 職業:会社員
恋は盲目とはよくいったもので、冷静であれば簡単にできる理性のコントロールも、恋愛対象にはできなくなってしまいます。
SNS上での出会いをきっかけに外国人と恋に落ち、ふたりの生活のためにという甘い言葉とともに、海外FX投資の話を持ち掛けられた私は、二つ返事でその話に乗っていきました。
最初は10万円程度の少額な話でしたが、すぐに配当が出たことで私の欲に火が付きます。
そして投資金額を増額し、大儲けを企みました。これもマズかったんでしょう。
いよいよ配当金を出金させようという段になって、怒涛の「資金回収」が始まります。
- 利益確定には300万円の保証金が必要
- 銀行がすべての投資金を凍結
そんなウソみたいな詐欺手口にまんまと引っかかり、たった2ヵ月で私は1800万円を騙し取られました。
なぜこんなことになったのか!?
他人の弱みに付け込んできた悪党どもの手口を、今回はすべてぶちまけます!
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SNSに送られた一通のメッセージから私はすっかり彼女のとりこに
今もって、自分がこの先どうしていいのか分かりません。冷静にならないといけない、と思いつつ、動揺で頭が真っ白になっている状態です。
まず、理性を取り戻すため、自分自身でも事実関係をはっきりさせるために、これまで私の身の上に起こったことを、時系列にそって書き記していきたいと思います。
彼女と知り合ったのは、私のfacebook上でした。焼き物を趣味にしている私の投稿にメッセージをくれたのですが、名前は名前はルーシー・リン。表記は横文字なのに日本語が流暢で、私もそこで興味を持ちました。
何度かメッセージのやり取りをしているうちに、彼女が香港在住の中国人で、父親がイギリス人、母親が中国(香港)と日本のハーフで日本にも留学経験があること、某大手日系商社で通訳の仕事をしていることなどが分かってきました。彼女の日本語が流暢なのも、それで合点がいきました。
年齢は私よりひと回り以上も下ですが、落ち着いた雰囲気があり、知識も豊富でLINEのやりとりでも軽妙洒脱なメッセージを送って来たりするので、ものの一か月もしないうちに、私はすっかりルーシーの虜になっていました。
今思えば、これが地獄の入り口だとも気付かずに……。
彼女も私を愛してくれている。その思い込みが理性を奪い去った
ルーシーも私に興味を抱いてくれていたようで、色々なことを訪ねてきました。
陶芸はどれくらいやっているのか。仕事は何をしているのか。好きな食べ物は何か。そして恋人はいないのか。
まったく興味を抱いていない異性に、パートナーの有無を尋ねることはありません。少なくとも私は当時そう信じていたので、この質問で私の想いはさらに燃え上がります。
20年近く恋人と呼べる異性がいなかった私にとって、これは千載一遇のチャンス。こちらも好意を隠すことなくメッセージのやりとりをするようになりました。
すると彼女のメッセージにも熱がこもってきて、しきりに私に「会いたい、会いにきてほしい」というようになりました。なかなか長期で休めない仕事であることと同時に、政情が不安定な香港から国外に出るのは思った以上に骨が折れることだとか。
特に今はコロナの影響もあって、入国に際して厳しい審査が入る日本よりも香港の方が入国はしやすいといわれ、私もだんだんとその気に。出会ってから(実際は会っていないのですが)1ヵ月で、私もルーシーのもとを訪れたいと、本気で考えるようになりました。
ふたりの未来のために出資した海外FX投資はすぐに結果を出した!
幸いなことに、私は配偶者がいない上に、趣味も陶芸以外には無かったので、貯金はソコソコ持っていました。
すぐにでも会いたい、会いに行くよと伝えると、それは申し訳ないと言い始めます。
彼女は「使ったらお金は無くなるが、増やして使えば元々のお金が減ることはない」という理由で、一緒に投資をしないかと提案してきました。
それは彼女がずっと投資している海外FXへの投資で、すでに配当も得ているとのこと。
「今は新型コロナウイルスの影響もあって自由に行き来はできないけど、こんな時代はいずれ終わる。そのときになって、会いたいときに会えるようにしたい」
「ふたりのお金だからふたりで半分ずつ負担しよう。もし渡航費用以上の配当を得たら、それは将来ふたりで暮すための資金にしよう」
そういわれることで、まったく疑わずに信じてしまいました。彼女は一度会うためだけでなく、その先の将来まで見据えて自分と付き合ってくれている。私にとっては何より喜ばしいことでした。
「それでも不安でしょうから」
と、最初の運用は10万円から。今回の投資用にと、彼女が新規で開設した国際口座に私の分の資金を振り込み、運用益の推移は投資先が用意した専用のアプリで確認する形になっていました。
両者の投資額を合算した20万円の資金は、初月から1万、2万と順調に運用益を出していたので、私の運用資金を10倍の100万円にしたいと申し出ました。チマチマとやっていたら、いつ彼女に会えるかも分からない。そんな思いだったんです。
これには彼女も同意してくれて、互いに100万円ずつを運用資金に充てることとしました。
すると当然、運用益も10倍です。10万、20万という単位で収益があがってくる。ここで欲の皮を張ってしまったのが、最大の過ちでした……。
500万円の利益確定のため300万円の保証金を支払った私にさらなる悲劇が
運用資金を500万円まで増資しました。今にして思えば、ふたりの将来よりも完全にカネに眼がくらんでしましたね……。バカなことをしたと、今は思います。
ただ、額面上の収益はどんどん増えていたので、彼女のことも、この投資案件についてもまったく疑うことはなかったんです。
収益が1,000万円を超えたので、半分の500万円を利確させて、自分の口座に振り込んで欲しいとルーシーに伝えました。
彼女は「わかった」と即答してくれましたが、運用会社にそれを伝えたところ、「保証金が必要になるといわれた」とのことでした。
現在の投資は100人からいる出資者の資金を併せて計画的に運用しているので、500万円の出金は運用計画に大きな狂いが生まれてしまう。300万円の保証金を積んで出金するか、半年後にそのまま出金するかのどちらかを選んでほしいとのこと。私は選択を迫られました。
ただ、この保証金は半年後には戻ってくるということだったので、利益を確定させたい思いもあったことから前者を選択しました。「トータルで考えたら、そのほうがいい」というルーシーのアドバイスもあったものですから。あいつは悪い女です。
急激な資金の動きに香港警察が資金凍結!? 人生最大のピンチ!
ですが、話はそれでは終わりません。今度は私の大きなカネの動きに香港警察からマネーロンダリングの疑いがかけられている、というのです。
これには私もさすがに面食らってしまい、激しく動揺しました。
合法的な資産運用でなぜこんなことになるのか? ルーシーを問い詰めました。するとルーシーは、「運用自体が問題ではなく、お金の出所が問題なのだ」といいます。「あなた、本当は反社会的勢力の構成員なのではないのか?」とまで言われ、反論するのに必死でした。
ルーシーは「自分にまで疑いの眼が向けられて困惑している」とも。
どうすれば疑いが晴れるのか、様々質問をしている間に、銀行口座が資金凍結されたと連絡が入りました。口座はルーシーの名義で、そこには当然彼女の資金も配当も入っています。私としては、そちらの方が気がかりでした。
「早急に凍結解除する方法を知りたい」
そうルーシーに告げると、彼女は銀行に掛け合ってくれて「今銀行にある預金、1000万円(ルーシーの資金を含みます)の半金500万円を凍結解除一時金として預け入れたら3ヵ月後に凍結は解除する。即時凍結解除を希望する場合は800万円の一時金で解決も可能」との確約を得たという連絡が入りました。
気が動転している私は、彼女への申し訳なさと汚名をそそぎたいとの思いから、すぐに1000万円を用意してルーシーの口座に振り込みました。
私の1800万円を返せ!恋愛詐欺の落とし穴は深かった
その1000万円の振り込みを最後に、ルーシーとの連絡はプッツリと途絶えました。
facebookは削除され、LINEからも姿を消しました。
「騙された!」
叫んだところで後の祭りです。親の遺産や定期預金、信託銀行への投資などで貯めていた2500万円のうち、1800万円をわずか2ヵ月の間に奪われてしまったのでした。
すぐに地元の警察へと駆け込んだのですが、「日本人でもない海外在住者を捜査することはできない」と、全く掛け合ってくれません。
ネットなどで調べてみると、これが恋愛を絡めた詐欺の典型的な例だということが分かりました。
こんな手口に引っかかるなんて。
平常心の私なら、きっとそういうでしょう。でも、恋は盲目です。50を過ぎた老いらくの恋に、ブレーキはありません。お金と共に、彼女は私から自尊心までも奪っていきました。
今は完全に途方に暮れています。ただ、今でも私はルーシーを愛しており、何かのきっかけで彼女が私のもとに戻ってくることを期待している自分もいます。
私はこの先、いったいどうしたらいいのでしょうか……。
