とんでもないものが出てきました。国際ロマンス詐欺の派生形です。
国際ロマンスは文字通り国際的なロマンスを演出することでお金を巻き上げるタイプの詐欺であるのに対し、『ベストフレンド詐欺』というものが出てきました。
ベストフレンド詐欺とはどのようなものでしょう。結論から言えば、色恋営業ではなく友達営業をかけるようなイメージの詐欺です。
考え方によってはこちらの方が、タチが悪いというケースもあるでしょう。ここではベストフレンド詐欺について徹底的に解説していきます。
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【前提】ベストフレンド詐欺とは?
あなたは『ベストフレンド詐欺』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ベストフレンド詐欺は、国際ロマンス詐欺の派生バージョンと言われる詐欺の一種です。
国際ロマンス詐欺について詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。

ベストフレンド詐欺はもともと数件ありましたが、コロナ禍の影響もあり、ここ最近急増している詐欺です。
非国際ロマンス詐欺、と言われる場合もあります。国際ロマンス詐欺と異なる点は、友達関係のように親しくなって詐欺を仕掛けて来るという点です。
友人として仲良くなった人が辛い局面に立っていたら、助けたいと思ってしまうのが人間としての感情ですよね。それの感情を利用して、犯人はお金の無心をしてくるのです。
国際ロマンス詐欺のように恋人関係になってないからといっても、安心できないのでこの手の詐欺は要注意です。
ベストフレンド詐欺の特徴
国際ロマンス詐欺の派生バージョン、とだけ言われてもすぐには理解できないと思うので、以下にもう少し詳しくベストフレンド詐欺の特徴を示しています。
出会う場所
マッチングアプリやインスタグラムなどのSNSでベストフレンド詐欺にあうケースが目立ちます。
マッチングアプリは恋人探しの目的の人が多いため、ベストフレンド詐欺の場合はSNS経由の方が多くなる傾向にあります。
SNSやマッチングアプリで知り合った友人には、どれだけ仲良くなってもお金の話が出たら警戒しましょう。
TwitterのDMで交流を持ちかけられるケースもあります。
友達でもない人から突然話しかけられたり、フォローしたらすぐフォロバされて連絡がきたりする場合は特に注意が必要です。
フェイスブックでもベストフレンド詐欺を狙った人(詐欺師)がいます。
Twitterと同じく、突然メッセージが送られてきたり、突然友達申請してきたりするケースが非常に怪しい印象です。
実は、インスタグラムにも詐欺師が紛れていることもあります。
こちらもメッセージ突撃型が多く、詐欺師からメッセージで急に話しかけられた、という傾向が多くなっています。
詐欺師のアカウントは、友達数や投稿が少ない傾向にありますので突然話しかけられたらチェックしてみてください。
名乗る職業
職業は国際ロマンス詐欺と同様、周囲にあまりいない軍人や医師を名乗るケースがほとんどです。
軍人
戦争に出向いており、現地でいかに苦労しているか、をアピールするのが典型例です。
戦地の悲惨さや自分の苦労を語られると、ついつい助けたい、という気持ちが出てしまいます。
そういった人間の感情を引き出すストーリーを紡ぎやすいのが軍人という職業なのでしょう。
医師
同じ例で、戦地に赴く医師を名乗る場合があります。
血だらけの人をトラックで運ぶ画像や悲惨な戦況の街の写真など、心を痛めてしまいそうな写真を送ってくるのが手口です。
「本当に」友達がこのような状況に陥っているのであれば助けたいという気持ちもわかりますが、その写真はネットから拾ってきた可能性もありますし、医師と言われたら疑いの目でかかるのが一番でしょう。
篤志家(とくしか)
篤志家とは、社会奉仕や公共の福祉などを熱心に実行したり支援したりする人です。
篤志家にはボランティアのように奉仕活動をしている人も、慈悲活動に熱心なだけの人も含まれます。
戦況の悲惨な場所の状況を送ってきて、困っている人に手を差し伸べたいから、一緒に奉仕活動をしよう、という名目でお金の無心をしてきます。
こちらの良心を逆手にとってくるのです。
性格の良い人ほど騙されやすくなってしまうのが非常に困った点ですね。
詐欺の手口
ベストフレンド詐欺の手口を紹介します。
なお基本路線は、国際ロマンス詐欺と同様です。
悲惨な写真を送ってくる
どの職業を名乗る場合でも、戦場の悲惨な写真を送りつけてきます。
- 家が倒壊した写真
- 人が生き埋めにされた写真
- 血まみれの人の写真
送信されるのは、こういった目を覆いたくなるような写真が多いです。
送られた側も、こんな写真を見せられたら冷静な判断力を失ってしまいそうですよね。
同情を引く
「こんな悲惨な状況はしんどい」と相手からの同情を引こうとしてきます。
「確かに早く抜け出したいだろうな」と感じさせるような写真がどんどん送られてくるのです。
また、メッセージで同情を引こうとする場合もありますので、一歩引いた目線で会話をするのが安全です。
帰国したいと騒ぐ
「こんな状況はいやだ!帰国したい!」と愚痴をこぼしてきます。
あなたは同情心から「帰ったほうがいいよ」なんて声をかけます。
すると、帰国のための金銭援助を無心してくるのです。
詐欺を実行する
写真を送りつけ、同情心を引いたところで「もう辛い。帰国したい。」と持ちかけて帰国費用を無心してきます。
「戦況が激しくてお金を引き出すことができない。必ず返すので貸してくれないか」
このように持ちかけられるため、優しい人は、「返してもらえるなら…」と、大金を貸してしまうのです。
さらに、同情心を煽ってからお金の無心をしてくるので、「助けたい」という気持ちを逆手に取られてお金を送りやすい心境を意図的に作ってきます。
二段構え(二部構成)の詐欺に注意
ベストフレンド詐欺の特徴として、2段構えになっているパターンもあります。
別の外国人の友人もグル
詐欺のことを別の外国人の友人に相談すると、「それは詐欺だ!」と指摘して、「僕が必ずお金を取り返すよ!」と力強く励まされたりします。
そして、外国人の友人は「詐欺を指摘して救ってくれた救世主」という立ち位置になるのでその後信用してしまいます。
しかし、その友人経由で助けてくれると手を差し伸べてきた様々なものがニセモノであり、結局詐欺に遭ってしまうということもあります。
実際にあったベストフレンド詐欺の事例がこちらです。
連絡してきた税関職員がニセモノ
「あなたを助けるために」と別の友人から送られてきた荷物に、税金がかかっているから、と税関を名乗る人から連絡がくるパターンがあります。
それを払わないと、助けるために必要な書類が受け取れない、などと丸め込まれて関税に当たるお金を振り込むように言われるのです。
よくわからないからお金を振り込む、という行動だけは避けてくださいね。
連絡してきた国連関係者がニセモノ
連絡してきた国連関係者は「取り返すために20万円の手数料がかかる」と告げ、新たにお金を要求してきます。
この際、国連のマークがついた書類を送ってきて信用させるようです。
詐欺から救って信用させてから、次の詐欺を仕掛けるという卑劣な手段です。
ベストフレンド詐欺にあってしまった時の対処法
以上のような特徴のあるベストフレンド詐欺にあった時、どのように対処すれば良いのでしょう。
友達に相談する方法も考えられますが、これをきっかけに新たな詐欺を仕掛けてくるケースもあるため、今回は除外しています。
NPO法人に相談する
ベストフレンド詐欺は、国際ロマンス詐欺と比較的似た手口です。
そのため、国際ロマンス詐欺の被害者救済をしているNPO法人に相談することで、被害を受けた後にどのように動けば良いか、親切に教えてくれるはずです。
NPO法人の公式サイトは以下となります。
警察に相談する
詐欺被害にあったらまずは警察に被害申告をしましょう。
犯人逮捕に向かって動いてもらえたり、口座凍結してくれたりする可能性があります。
しかしながら、警察も忙しいため加害者がはっきりしない場合や上手に被害申告ができない場合、被害届を受け取ってもらえないなど、相手にされないこともあります。
そのため、後述の弁護士に先に相談して、状況をまとめてもらってから被害申告をする方が安全です。
弁護士に相談する
被害回復(返金)については民事事件のため、弁護士に依頼しましょう。
先に弁護士に相談することで被害状況を冷静にまとめてくれて、警察への被害申告がスムーズになる、といった効果も期待できます。
また、弁護士同伴で警察に行くと、さらに被害届がスムーズに受け付けてもらえる可能性が高まります。
まとめ
今回はベストフレンド詐欺の新しい形態として猛威を振るっているベストフレンド詐欺についてご紹介してきました。基本的に国際ロマンス詐欺の亜種のようなものです。
よって被害の金額や手口・スキームは国際ロマンス詐欺とほぼ同一と言ってよいでしょう。
もちろん弁護士が介入することにより、返金要求などアクションを起こすことも不可能ではありません。
色恋ではなく海外の異性の親友からお金を無心された場合、詐欺被害の可能性があります。まずは弁護士までご相談ください。
こうすることにより、二次被害の防止にもつながります。