医師を名乗るアメリカ人からインターネットを通じて連絡が来た場合、この相手は詐欺師なのでしょうか。
近年国際ロマンス詐欺の詐欺被害の相談件数が増加してきており、外国籍の医師を名乗る人物から騙されたというケースも多数報告されています。
それでは、この医師を名乗るアメリカ人が国際ロマンス詐欺の詐欺師か否かはどうすれば見分けることができるのでしょうか。この記事では国際ロマンス詐欺師の特徴や具体的に詐欺師を見分ける方法について詳しく解説していきます。
■この記事でわかること
・国際ロマンス詐欺の詐欺師の3つの特徴がわかる
・国際ロマンス詐欺の詐欺師を見分けるための3つのポイントがわかる
・国際ロマンス詐欺のよくある5つの手口がわかる
・国際ロマンス詐欺の詐欺師に騙されやすい人の3つの特徴がわかる
・国際ロマンス詐欺の詐欺師に騙されないようにする2つの対策がわかる
・国際ロマンス詐欺の詐欺師に騙された場合の対処法がわかる
そもそも国際ロマンス詐欺とは?

まず「国際ロマンス詐欺」がどのような詐欺行為を指すのかという点をおさらいしておきましょう。
「国際ロマンス詐欺」とは、SNSやマッチングアプリなどインターネットを利用して出会った外国人を名乗る異性から、お金を騙し取られるタイプの特殊詐欺のことをいいます。
特徴的なのは、詐欺師が外国人や外国在住であると偽る点や、恋愛関係や結婚を匂わせて相手を騙すという点です。ターゲットに恋愛感情や愛情を抱かせて詐欺師の思い通りにコントロールする手口は、従来の結婚詐欺や恋愛詐欺などと共通しています。国際ロマンス詐欺でも、詐欺師は恋人や婚約者のように振る舞うことで、相手を信頼・安心させて最終的にはお金を騙し取ろうとしてきます。
ターゲットの異性にお金を支払わせてだまし取る手口も年々巧妙化してきています。単純な手口であれば、お金が必要となる様々な事情やトラブルが発生して、相手に経済的な援助を依頼して現金などを交付させるものです。
しかし、中には「儲かる投資先があるから、投資して資産を増やすべきだ」や「日本に荷物を送るので私の代わりに受け取って欲しい」などと言われ素直に応じていると、被害者がお金を取り戻せなくなっていたり、高額な手数料や税金名目で支払いを請求させてしまったりと思いもよらない方法で騙されるというケースもあります。
このような国際ロマンス詐欺の被害事例は、インターネットやスマホの普及により社会問題となっていますが、特に新型コロナウィルスが蔓延して以降、人々がSNSやマッチングアプリを利用して新しい出会いを求めるようになってからは増加傾向にあると考えられています。
そのため、国民生活センター・消費者庁、警視庁も国際ロマンス詐欺の被害相談が増えてきていることに、注意喚起を促しています。

国際ロマンス詐欺師かも?怪しい人物の特徴

国際ロマンス詐欺の詐欺師の可能性があるのはどのような人物なのでしょうか。
国際ロマンス詐欺の詐欺アカウントの恐れがある、3つの怪しい特徴について解説していきます。
イケメンや美女など容姿がいい
国際ロマンス詐欺の詐欺師のアカウントは、イケメンや美女など容姿が良い人物がプロフィール画像に設定されているケースが多いです。
まず、国際ロマンス詐欺の詐欺師は、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSや、マッチングアプリや出会い系サイトなどを通じて接触を図ってくるのが一般的な手口です。
そして、詐欺アカウントのプロフィール画像やアカウント画像は、美男・美女の容姿端麗で見た目から受ける印象が良い人物の画像である可能性が高いです。
なぜなら、国際ロマンス詐欺の場合、詐欺師が狙っているターゲットは恋人や結婚相手を探している人だからです。そのため、見た目が良く画像から受ける印象が良い人物は、恋人候補や結婚相手としてポイントが高く、理想的な人物であると思ってもらえる可能性が高まります。
しかし、そのようなイケメン・美女の画像は当然ながら詐欺師本人の顔写真というわけではありません。詐欺アカウントに設定されている画像のほとんどは、インターネット上に存在している無関係な第三者の写真や画像を無断で悪用して設定しているケースです。
したがって、イケメンや美女など容姿の見た目が良いアカウントの場合には、国際ロマンス詐欺の詐欺師である可能性があります。
職業は医師や軍人を装うケースが多い
また、国際ロマンス詐欺の詐欺師は、医師や軍人などの職業を装うケースが多いです。
医師は一般的に収入が高いため、恋人や結婚する相手として魅力的に映る可能性が高いです。
また高給取りであることから経済的に余裕がある人物であると誤解させることもできます。そのような経済的に余裕があり資産を有している人物であれば、「まさか自分からお金を騙し取ろうとしているわけはない」、「必ず約束通りに返金してくれるはずだ」と相手の意識に植え込むこともできます。
国際ロマンス詐欺の詐欺師が「医師」を演じることが多い理由については、次の記事でも詳細な解説をしていますので是非参考にしてみてください。

また、詐欺師は「軍人・軍医」を装うケースも多いです。具体的には中東の紛争地域・戦地などに派遣された軍人や、国連の平和維持活動として派遣された軍医であると偽る事案が多数報告されています。
軍人・軍医であると名乗ると、規律を重んじ忠誠心が強く、過酷な訓練を乗り越えて任務を遂行している立派な人物であるという印象を相手に対して与えることができます。また、軍人・軍医という設定であれば悲劇的なエピソードや同情を誘う話を創作しやすいため、相手に対して「援助してあげたい」という心理的なモチベーションを抱かせることも可能になります。
具体的に詐欺アカウントは、以下のような作り話をエピソードとして語ります。
・幼少期に家族を難病で亡くしたことから、医師として人命救助に使命感をもって取り組んでいる
・過酷な紛争地域の中で日々、人道支援のために国連軍として活動している
・派遣期間が終了したのちは、日本に移住して過ごしたいと考えている など
以上から軍人・軍医、医師などを装うアカウントは、国際ロマンス詐欺の詐欺師である可能性があります。
経済力をアピールするような写真を使う
さらに、国際ロマンス詐欺の詐欺師は、経済力をアピールするような写真を使うこともあります。
フェイスブックやインスタグラムなどのSNSに経済力をアピールする画像を投稿したり、直接ターゲットを騙すために送りつけてきたりするパターンがあります。
経済力をアピールするための写真や画像としては以下のようなものです。
・豪邸で大人数を招待して開催されているパーティーの画像
・タワーマンションの一室から見える綺麗な夜景の画像
・自宅を思わせる広い高級マンションの一室を撮影したと思われる画像
・投資で成功したことをアピールするために、口座に大金が入金されているスクリーンショット など
それではなぜ国際ロマンス詐欺の詐欺師は、お金を騙しとる相手に対して経済力があることをアピールする必要があるのでしょうか。
その理由としては、ターゲットに対して相手が「社会的に成功しており、お金に困っていない」人物であるという印象を抱かせるためです。
まず経済力が高く多くの資産を持っている相手は、交際相手・結婚相手として理想的です。そしてお金を持っていると思われる人物から投資を勧められれば説得力がありますし、お金を貸してほしいと依頼されても「一時的に手元に現金が不足しているだけだろう」と勝手に誤解してくれる可能性も高まります。
以上から、経済力があることをことさらアピールしてくる人物は、詐欺師である可能性があります。
医師を名乗るアメリカ人が国際ロマンス詐欺師か見分ける方法

それでは、医師を名乗るアメリカ人の異性などが国際ロマンス詐欺の詐欺師なのかどうかはどうやって判別することができるのでしょうか。ここでは、詐欺アカウントを見破るための3つのポイントについて解説していきます。
また実例を通じた国際ロマンス詐欺の見分け方については、こちらの記事でも詳細に解説していますので、是非参考にしてみてください。

プロフィール写真を画像検索する
まず、医師を名乗るアメリカ人を自称するようなアカウントの場合には、プロフィール写真を画像検索してみてください。
国際ロマンス詐欺の詐欺師は、インターネット上に存在している第三者の顔写真や画像を無断で流用して、自分のアカウントのプロフィール画像に設定していることが多いです。
そのためインターネットを通じて接触してきた怪しいアカウントについては、画像検索にかけてチェックすることで、詐欺アカウントか否かが判明する場合もあります。
画像検索をする場合には「Google画像検索」を活用するのが簡単ですので、おすすめです。Googleで画像検索をするための流れについては以下のようなものになります。
まず、パソコンのブラウザ画面でGoogleのトップページにアクセスしてください。パソコンでGoogle ChromeやSafariなどのブラウザからGoogleを開いてください。そして画像検索ページの右側にある「画像で検索」というアイコンをクリックしてください。
そのうえで「画像のアップロード」→「ファイルの選択」をクリックして、調べたい画像・写真を選択して、画像をアップロードしましょう。
上記プロセスにより画像検索を行うことができます。そして同じ画像・写真が複数表記される場合には、相手は詐欺師である可能性が高いです。
プロフィール文も検索してみる
プロフィール画像のみならず、プロフィールの文章も検索してみてください。
詐欺アカウントの場合、膨大な数のフェイクアカウントを作成して活動している可能性もあり、そのためそれらのプロフィール文も使いまわしの可能性が高まります。
怪しいアカウントのプロフィール文・自己紹介文をコピペして、検索してみましょう。同じ文章が複数個ヒットした場合には、かなりの確率で詐欺アカウントであると言えるでしょう。
プロフィール文やメッセージ内容と写真に矛盾がないかを探る
相手の投稿・送付してきた写真と、プロフィール文やメッセージ内容が矛盾していないかをチェックしてください。
国際ロマンス詐欺の詐欺師は、相手を騙すために職場の写真や自宅の写真などと言って無関係な写真を投稿したり、直接送りつけてきたりする場合があります。しかしそのような場合でも、上記の画像検索をすることで無関係な写真であることが判明するケースもあります。
また、相手が所在していると言っていた国と明らかに違う国の画像が投稿されているという場合もあります。
このように写真・画像が相手の発言と矛盾していないかどうかを探ることで、詐欺アカウントか否かが判明することがあります。
医師を名乗るアメリカ人国際ロマンス詐欺師の手口

それでは医師を名乗るアメリカ人など国際ロマンス詐欺の詐欺師は、どのような手口で被害者を騙すのでしょうか。ここでは国際ロマンス詐欺には、一般的に5つの共通する騙しの手口がありますので、時系列にしたがって解説していきます。
SNSやマッチングアプリで知り合う
まず、国際ロマンス詐欺の詐欺師は、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSや、マッチングアプリや出会い系サイトを通じて被害者と知り合います。
国際ロマンス詐欺の特徴として、被害者への接触から親密な関係になってお金を騙し取るまでのほとんどすべてのやり取りがインターネットを通じたメッセージのやり取りだけで完結してしまうということを挙げることができます。
このように詐欺師がSNSやアプリを利用する理由は、被害者に素顔を晒すことなくやり取りを続けることができるからです。詐欺アカウントの場合にはプロフィールの内容や経歴、アイコン写真も虚偽のものが設定されていることがほとんどです。詐欺師が設定している架空のキャラクター設定も、ターゲットの心理を巧妙に利用したものになっています。
国際ロマンス詐欺の詐欺師が良く使う職業3選などについては、以下の記事で詳細ない解説をしていますので、参考にしてみてください。

情熱的なアプローチで恋愛感情を抱かせる
ターゲットとやり取りが開始すると、早い段階から情熱的なアプローチで恋愛感情を抱かせるようにはたらきかけてきます。
やり取り期間が短いにもかかわらず、「好きだ」「愛している」「恋人同士だ」などと情熱的にアプローチをかけてくるのが国際ロマンス詐欺の特徴です。
なぜこのようなアプローチをかけてくるのかというと、詐欺師は時間をかけず効率的にお金を騙し取ろうと計画しているからです。相手にできるだけ早く恋愛感情を抱かせて信頼させた方が、それだけ早くお金を交付させることができるようになります。
したがって、信頼関係を構築するための「準備期間」をできるだけ短くするために、早々に情熱的なアプローチや甘い言葉を多用して口説いてくるのが国際ロマンス詐欺の手口の特徴です。
プレゼントの配送費などの名目で少額のお金を要求したり、住所を聞いたりする
そして、人間関係が出来上がった段階で、少しずつ「お金の話」に入って行きます。
具体的にはプレゼントの配送費や荷物の受け取りのために少額の金銭を要求してきたり、氏名・住所・電話番号・LINE IDなどの個人情報を聞き出そうとしてきたりします。
巧妙な詐欺師の場合には、まずは少額の金銭を要求して約束どおりに返金する場合があります。そうすることで被害者の金銭交付への心理的ハードルを下げて、次にお金を貸しても大丈夫だろうと誤信させることができるのです。そのようなやり取りを通して次はもっと大きな金額の金銭を要求してくるようになるのです。
「結婚資金を貯めよう」などと言って、定額を送金させる
国際ロマンス詐欺の詐欺師の場合には、ありとあらゆる言い分で被害者にお金を支払わせようとします。
中には「結婚資金や将来の生活資金を貯蓄しよう」と言って一定期間定額の現金の送金を要求してくるものもあります。また「結婚資金を捻出するため」といって投資に勧誘してくるケースもあります。
「仮想通貨に投資して資産を増やすことができている」「絶対に儲かる投資先がある」なども詐欺師の常套句です。相手が指定してきたサイトへの送金を要求され、指示どおりに送金すると口座が凍結されて出金できなくなったり、引き出しに高額な手数料を請求されたりといった事案が報告されています。このような場合、相手が指定してくる企業サイトや証券サイトは、フェイクサイトである可能性が高いのです。
もっと単純な手口の場合には、相手が被害者の代わりに運用するから現金を預けてほしいと要求され、あたかも資産運用で利益が出ているかのような偽の取引画面を見せてくるという手口もあります。
このような手口では、毎月定額を詐欺師に騙し取られていたことが後々発覚したというケースも存在しています。
ある日突然、音信不通になる
そして、被害者から十分現金を騙し取った段階ですべての連絡ツールを遮断して、ある日突然、音信不通になります。
具体的にはSNSやマッチングアプリのアカウントを削除したり、被害者のLINE IDをブロックしたりして被害者の側から一切連絡ができないようにします。
被害者は突然相手との連絡手段が失われることなど想定していなかったため、問い詰めたり渡した現金を返すように要求することもできなくなってしまいます。この段階で相手の個人情報を掴むことができる証拠を確保していない場合には、被害者個人では二度と相手と連絡することはできないでしょう。
しかも、国際ロマンス詐欺の被害に遭う方には、このように相手が音信不通となった段階で、はじめて自分が騙されていたことに気づく人が多いのが実情です。
医師を名乗るアメリカ人国際ロマンス詐欺師に騙されやすい人の特徴

医師を名乗るアメリカ人などの国際ロマンス詐欺の詐欺師に騙されやすいのはどのような人なのでしょうか。
詐欺師はターゲットのタイプを狡猾に見極めて接触をしてきているため、ここでは詐欺師が狙っている3つのタイプの人物を解説していきます。
恋愛経験が少ない人
まず、国際ロマンス詐欺の詐欺師に狙われやすいのは、恋愛経験が少ない人物です。
恋愛経験が乏しい人は、異性とコミュニケーションをとることに慣れていないため、いざ自分に好意を抱いてくれている人が目の前に現れた際には、嬉しさで舞い上がってしまう可能性があります。そのような場合には、相手を失いたくないという気持ちが優先してしまい、冷静さを失い広い視野で物事を見ることができなくなってしまいます。
当然国際ロマンス詐欺の詐欺師は、そのような傾向を十分理解してターゲットに接触してきています。相手に情熱的にアプローチしたり、褒め言葉や甘い言葉を多用したりして、まさに恋愛の楽しさや異性交際の醍醐味を感じさせるのです。
同情しやすい人
同情しやすい人も詐欺師に狙われ得やすい人の特徴です。
前述のように国際ロマンス詐欺の詐欺師は、医師や軍医を装って悲劇的なエピソードや同情を誘う話をしてくるケースもあります。そのため同情しやすい人も詐欺師が狙っているタイプの人物である可能性が高いです。
他人の気持ちに配慮することができる人や感受性が豊かな人は、可哀想な話を聞くとつい「なんとかしてこの人の力になってあげたい」と考えてしまう傾向が強いです。
しかし詐欺師はそのような人の優しさにつけ込んで現金を騙し取ろうとしていますので、このように同情しやすい人は注意しておく必要があります。
自分が詐欺に引っかかるわけがないと思っている人
「国際ロマンス詐欺なんかに引っかかるわけがない」と思っている人も要注意です。
普段から自分は詐欺被害には遭わないと過信してしまっている人は、いざ騙されてしまうとバイアスがかかっている分、相手が詐欺師であるというさまざまな兆候・サインを見逃してしまうリスクがあります。
実際、詐欺被害に遭っている多くの人が、「自分は騙されているわけではない」と思い込んでしまっているケースです。
さらに国際ロマンス詐欺の手口は年々巧妙化してきて、証券会社の社員役、国際組織の職員役、税関の職員役など外部の第三者が介入してくる劇場型のパターンも多数報告されているため油断は禁物です。
医師を名乗るアメリカ人国際ロマンス詐欺師に騙されないためには?

それでは、医師を名乗るアメリカ人など国際ロマンス詐欺の詐欺師に騙されないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは怪しいアカウントから連絡があった場合に注意するべき2つのポイントについて解説していきます。
医師を名乗る外国人から突然連絡がきたら警戒する
まず、医師を名乗る外国人などから突然連絡が来たら国際ロマンス詐欺の詐欺師ではないかと警戒しておくことが重要です。
すでに説明したように国際ロマンス詐欺の詐欺師が名乗る職業には一定の共通点があります。特に「医師」や「軍人・軍医」「実業家・経営者」などを語る詐欺師が多いことが分かっています。
はじめは「日本の文化に興味がある」や「日本語を勉強中なので教えて欲しい」などと連絡してくるため一見して詐欺アカウントであるとは分からないケースが多いです。
そのような場合も、外国籍を語る人物からインターネットを通じて接触があった場合には、相手は何かしら悪事を企んでいるのではないかという警戒を緩めないことは重要なポイントです。
それでも相手が詐欺アカウントかどうか確信が持てない場合には次のポイントに注意してください。
お金を要求されたり、儲け話が出たら即ブロックする
お金を要求されたり、儲け話が出てきた場合には、相手のアカウントを即ブロックしたり連絡を取るのをストップしてください。
相手が詐欺アカウントかどうか分からない場合でも「お金の話」が出てきたらこれ以上のやり取りはしないと決めておくだけでも、お金を騙し取られる実害が生じないようにすることができます。
インターネット上で知り合った人物にお金を要求されるケースは、十中八九詐欺であると認識しておきましょう。ロマンス詐欺の場合には突発的な事故・トラブルを口実にして金銭を要求してきたり、「絶対に儲かる投資先がある」と強調しておいて投資に勧誘するという流れが鉄板です。
そのためそのような話が出てきた際には、引き続いて必ず「お金の話」になると警戒しておいてください。
医師を名乗るアメリカ人国際ロマンス詐欺師に騙された場合の対処法

それでは万が一、医師を名乗るアメリカ人などの国際ロマンス詐欺の詐欺師に、お金を騙し取られてしまった際にはどうすればよいのでしょうか。
実際に詐欺の被害に遭った場合に相談すべき2つの相談先について解説していきます。
警察に相談する
国際ロマンス詐欺の詐欺被害に遭った場合には、警察に相談してください。
警察署に出向き詐欺に遭った経緯や証拠を示して、被害届・告訴状を作成して提出することで事件として捜査が進められる可能性があります。その結果犯人が判明すれば逮捕されるケースもあります。
ただし、警察に相談したからといって必ず捜査が開始され犯人が逮捕されるとは限らないという点には注意が必要です。例えば証拠が不十分で詐欺の事実が立証できない場合などには警察が捜査できないケースもあります。
また実際に詐欺師に騙し取られた金銭を取り返したいという場合には、弁護士に依頼することがおすすめです。
弁護士に相談する
詐欺師に騙し取られたお金を取り返したいと考えている場合には、弁護士に相談することがおすすめです。
警察により詐欺師が逮捕されたとしても、自動的にお金が返金されるわけではありません。なぜなら刑事手続きと民事手続きは異なり、お金を取り戻すには被害者が犯人に対して損害賠償請求など金銭の支払い請求をしていく必要があるからです。
弁護士に依頼しておけば犯人に対して適切に請求をしたり、相手方と交渉したりする必要が生じた際にも、手続きを一任することができます。

国際ロマンス詐欺アメリカ医師に関するよくある質問

アメリカ人の医師を装う国際ロマンス詐欺に関連する、よくある質問について解説します。
国際ロマンス詐欺師に多い性別は?
国際ロマンス詐欺の被害者に関して、被害者の実数では男女比はほぼ同等か男性が少し多い程度であるという海外のデータが存在しています。
国際ロマンス詐欺の詐欺師の性別に関するデータは存在していませんが、国際ロマンス詐欺は組織的・大規模で行われているケースも相当数存在しています。そのため詐欺師には男性も女性も存在しており、どちらが多いとは一概には言えません。
また詐欺グループは架空のアカウントを共同で運営しているため、男性被害者が多いからと言って詐欺師が女性であるとは言えない実態があります。
アメリカ人以外に注意すべき国籍はある?
国際ロマンス詐欺の詐欺師が名乗る外国人としては、日本人が一定程度親近感や馴染みのある「アメリカ人」「イギリス人」「韓国人」などを装っているケースがあります。
また「中国人」や「シンガポール人」なども近年は資産を持っている人が多いというイメージを利用して詐欺師が名乗る可能性が高い国籍です。
国連の医師も怪しい?
国連の医師・軍医を語る国際ロマンス詐欺の事例がありました。国連の平和維持活動として紛争地域に派遣されている軍医という設定で被害者に接触してくる国際ロマンス詐欺が報告されています。
このような事例では、相手に荷物を輸送するという理由で、住所や電話番号などの個人情報を聞き出そうとしていました。
国際ロマンス詐欺師に多い名前はある?
国際ロマンス詐欺の詐欺師は、日本人でも覚えやすい外国人の名前を使用している可能性が高いです。
具体的には男性であれば「アンディ」「ジェイソン」、女性であれば「サラ」「ジェシカ」などの一般的な名前です。
日本人に馴染みのない名前や、発音が難しい名前などは詐欺師のアカウントには使用されない傾向があります。
まとめ:医師を名乗るアメリカ人は、高確率で国際ロマンス詐欺師

この記事では医師を名乗るアメリカ人などの国際ロマンス詐欺の詐欺師の手口や特徴を詳しく解説しました。
医師を名乗るアメリカ人が、インターネットを通じて接触してきた場合には、高確率で国際ロマンス詐欺の詐欺師だと考えておいてください。
このような怪しいアカウントから接触があった場合には、お金を騙し取られる詐欺被害に遭わないようにするためにも、この記事で紹介した情報をお役立てください。